日程
2017/10/07(土) 〜 2017/11/05(日)
会場 三菱地所アルティアム |
「現実を忠実に再現する」という写実のテーゼを、多角的なアプローチで乗り越え、視ることの拡張を試みる画家、諏訪敦の作品を展覧する。西日本で本格的個展は初めての機会となる。
三菱地所アルティアムで開催される本展では、2011年以降の平面作品を中心に、諏訪の制作に迫った短編のドキュメンタリー映像をあわせて紹介する。近年の作品の中で、満州で亡くなった自身の祖母の姿を描いた《HARBIN 1945 WINTER》は、初の本格的な展示となる。本作の制作プロセスは、2016年にNHK ETV特集で取り上げられ話題を呼んだが、70余年という隔たりと闘いながら描いた作品は、真実とは、表現とはなにかという作家の追究が伺える。これまで諏訪は、超絶的な描写力で人物を写しとるだけでなく、対象とのコミュニケーションや綿密な取材をおこない、複眼的な考察によって社会的な背景や個の在り様を浮かび上がらせてきた。対象に肉薄し、細部に至るまで深い慈しみを注いだ作品群は、観る者に強い印象を与えることだろう。
ドキュメンタリーの視点を孕み、観る者に問いかける諏訪の作品はこれからの絵画表現の行方を指し示すかのようだ。最新作を含めた作品群が揃う機会に足を運んでみては。
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