明治150年記念 特別展
オークラコレクション
-古今の美を収集した、大倉父子の夢-
2018/10/02(火) 〜 2018/12/09(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
2018/11/28 |
開催中の特別展「オークラコレクション」の隠れたエピソードを九州国立博物館の主任研究員、山下善也さんに聞く連載最終回。
本物を前にして、その迫力に圧倒された。日本画の大家、横山大観が1930年のローマ展に出品した大作。日本の伝統美を海外に伝えるために選んだ素材は、満月と、かがり火に浮かぶ幻想的な山桜だった。
「ここをよく見てください」。山下さんがかがり火を指す。「煙がまっすぐ上がり、桜の花びらは真下に落ちています。風がないということなんです」。風のない月夜。静寂の中で桜は散り、かがり火の音だけが響く。「絵画をじっと見ていると、いろんな発見があるんですよ」。山下さんの話は奥深い。
でも、私は知っている。この作品に“パクリ疑惑”があることを。実は、大観より先に、同時代の日本画家で福岡市出身の冨田渓仙(けいせん)が、桜とかがり火を描いていたのだ。大観は渓仙の「祇園夜桜」をまねたのか?
「その通りです」。山下さんはあっさり認めた。「でも、パクリというのは違いますね。作家はさまざまな作品から素材を選んで作品を作るんです。いろいろな材料が混じり合っていい味を出す。チャーハンみたいなものです」
大観とチャーハン。う~ん、やっぱり芸術は奥深い。
(斉田康隆)=11月15日 西日本新聞朝刊に掲載=
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