HIGHLIGHT みどころ

©1982 BIGWEST

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あなたが憧れた巨大ロボットが
美術館に出現!

初の巨大ロボットアニメ『鉄人28号』放映から60年。
日本独自のジャンルである「巨大ロボットアニメ」のデザインとその映像表現の
歴史を紐解き、「巨大ロボットとは何か」を問いかける、かつてない展覧会!

本展は、日本のアニメーションにおける巨大ロボットのデザインとその映像表現の歴史を辿り、「巨大ロボットとは何か」を問いかけます。
架空のロボットが登場するアニメーション(ロボットアニメ)は、いまや日本の大衆文化の一角を占めています。横浜に登場した「動くガンダム」を始めとする架空の「実物大」ロボットが日本の主要都市に存在し、それらは今や日常的な風景となっているほどです。
『鉄人28号』(1963年)をロボットアニメの嚆矢として、その後『マジンガーZ』(1972年)の大ヒット、そしてロボットアニメの流れに新風を吹き込んだ『機動戦士ガンダム』(1979年)の影響下、現在に至るまで多数のロボットアニメが制作され、魅力的なロボットがデザインされてきました。他の国のアニメーションには見られない、独自の進化と広がりを見せてきたそのデザインの変遷には、空想上の荒唐無稽なロボットという存在に映像的な「リアリティ」を与えるためのデザイン上、設定上の創意工夫が凝らされ、ファンを魅了してきました。
本展では、『鉄人28号』から近年のロボットアニメにおけるロボットのデザインと映像表現の歴史を、それらの「リアリティ」形成において重要な役割を果たした設定上の「メカニズム」と「大きさ」を軸に検証していきます。その上で、「巨大ロボットとは何か」を観客の皆さんとともに考えていきたいと思います。

スーパーロボットは会社の備品

『地球防衛企業ダイ・ガード』(1999年) ⒸXEBEC・フライングドッグ/創通

本編物語を牽引する劇中スーパーロボアニメ『ゲキ・ガンガー3』

『機動戦艦ナデシコ』(1996年) ⒸProduction I.G /ナデシコ製作委員会・テレビ東京
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みどころ①

巨大ロボットの
「メカニズム」に注目!

「搭乗」、「合体」、「変形」は巨大ロボットアニメの、いわば「お約束」。玩具展開を前提としたデザインには工夫が凝らされています。が、そのデザインに隠された「メカニズム」には、それなりの合理性があります。本展では、そうしたメカニズムの魅力を、デザイン画やアニメ劇中の場面などから制作した造形物によってお伝えします。

巨大ロボットに人の魂が宿る瞬間『マジンガーZ』(1972年)
©ダイナミック企画・東映アニメーション
ゲッター1の変形プロセス『ゲッターロボ』(1974年)
©ダイナミック企画・東映アニメーション
みどころ②

気分はパイロット?
ロボットの「大きさ」を体感できる!

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巨大ロボットの「大きさ」は、アニメ劇中にていかに表現されてきたか?1980年代になると、巨大なロボットは実用機械レベルに小さくなり、同時にその表現はリアリティを増します。現実にありそうなそうしたロボットたちの一部分(あるいは全部)を、劇中で設定されたとおりの大きさに引き延ばしたらどう見えるか? アニメの登場人物になった気分でご鑑賞ください!

あの有名ロボットを劇中の設定サイズで体感できる!

Ⓒ創通・サンライズ

ルパン三世に登場するロボット兵・ラムダ

『ルパン三世 PART2』(1977年) 第155話 さらば愛しきルパンよ
原作:モンキー・パンチ  ⒸTMS
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みどころ③

「内部メカ」にもえる!

架空のロボットが、あたかも本当に存在するかのように、「内部透視図」が描かれてきました。装甲の裏側、そして隙間にのぞくメカは、架空メカの「実体化」への欲望なのか、制作者のフェティシズムか?現在ではプラモデルや玩具でも当たり前のように再現されることが多くなったロボットの「内部」に注目します。

ディー・カイゼリン
『ファイブスター物語』(1986年〜)/『花の詩女 ゴティックメード』(2012年)
©EDIT
ライディ―ンの内部透視図
『勇者ライディーン』(1975年)
©東北新社
みどころ④

メカニックデザイナー・宮武一貴による
圧巻の巨大絵画を展示!

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宮武一貴氏(スタジオぬえ)が、巨大ロボットをテーマとした描きおろしの巨大絵画を本展のために制作しました。美術館ならではの大画面で、宮武氏の描くロボットワールドを堪能してください!
また、宮武氏が所属する「スタジオぬえ」の仕事も特別展示で紹介します!

横須賀美術館での制作風景

©東北新社