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炭鉱王の財力しのばせる名品の数々 佐賀・九陶で「高取家コレクション」展 唐津焼から景徳鎮まで

2020/06/15 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

 「唐津の炭鉱王」と呼ばれた高取家旧蔵の名品を紹介する特別企画展「高取家コレクション」が佐賀県有田町の九州陶磁文化館で開かれている。開館40周年記念展で、古唐津や古伊万里、海外の陶磁器など425点を紹介している。

九州陶磁文化館で開かれている「高取家コレクション」

 高取家は近代に同県の杵島炭鉱などを経営して財をなし、高取伊好(これよし)(1850~1927)が同県唐津市の唐津城そばに建てた「旧高取家住宅」は国の重要文化財になっている。伊好は地元の肥前を中心に国内外の上質な焼き物を集め、展示するだけでなく、これらの陶磁器を茶会や宴会などで使用した。

 同館は今年1月、伊好の子孫から648件1700点の寄贈を受けた。今年で3回目となり、これまでに1189件3428点が贈られている。

灰釉彫文茶碗 銘「玄海」

 今回の展示品のうち、県重要文化財「灰釉彫文茶碗(わん) 銘『玄海』」は、褐色系が多い唐津焼とは思えない白い色をしており、戦前は「志野焼」と考えられていた茶碗。16世紀末のものとされ、ろくろで成形した形をわざとつぶす、当時流行した形をしている。

 江戸時代に将軍家や大名家への贈答品として作られた鍋島藩窯の皿は、普段使いの食器のように10枚以上のセットとなっているのが特徴的だ。宴席の料理に骨董(こっとう)品を使った炭鉱王の財力をしのばせる。

 海外の品は14世紀以降の中国や朝鮮半島のものが中心。中国・景徳鎮の「染付束蓮文大皿」(15世紀)は、同館の山本文子学芸員が「国立博物館にあってもおかしくない」という名品だ。観覧無料。7月12日まで。(古賀英毅)

=6月12日付西日本新聞社夕刊に掲載=

 

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