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2/11 第15回光州ビエンナーレ 日本パビリオンのキュレーター、アーティストが集結! 現代アートの国際展から、福岡とアジアのアートを考える

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アルトネ編集部
2025/02/06
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 2024年12月、約3カ月間弱の幕を閉じたアジア最大規模の国際芸術祭「第15回光州ビエンナーレ」。当ビエンナーレの報告会が、2月11日(火・祝)に、中央区・舞鶴のアーティストカフェ福岡で開催されます。

 30周年の節目を迎えた当ビエンナーレは、フランスの批評家・キュレーター・ニコラ・ブリオーがアーティスティック・ディレクターを務め、メイン展示を展開した他、国や地域、機関が出展するパビリオン部門で、福岡市が主導のもと、日本がはじめてパビリオンを出展したことでも注目を集めました。福岡という一地方都市 が、「日本」を掲げて参加したということも、これまでに前例のない新しい試みと言えるでしょう。

 報告を行うのは、日本パビリオンのキュレーターを務めた批評家・文化研究者の山本浩貴氏と、招聘アーティストの内海昭子氏、山内光枝氏。

 韓国の現代史において、軍事独裁政権から民主化へと向かう転換点となった光州事件*で知られる地が開催地であり、これまでも政治性やテーマ性の強い現代アートの国際展として歴史を刻んできた当ビエンナーレにおいて、山本氏が掲げた日本パビリオンのコンセプトは、「私たちには(まだ)記憶すべきことがある」。

 「光州の地に歴史的に埋め込まれた無数の声と沈黙に耳を傾けながら、そのいっぽう、現在進行形で生起しているグローバルな事象に接続する回路を開くことも目指す」(山本氏のキュレーター・ステイトメントより抜粋)とうたわれた日本パビリオンの展示において、内海氏、山内氏の両アーティストはどのようにして作品を作り上げていったのでしょうか――展覧会までの道のりや現地での経験を踏まえ、お話しいただきます。

Terue Yamauchi, Surrender, 2024
撮影:山中慎太郎(Qsyum!)

『アジアと福岡のアートのこれまでとこれから』と題した第2部では、山本浩貴氏、岩永悦子氏(福岡アジア美術館 館長)のトークイベントを開催。モデレーターに山出淳也氏を迎え、近年のアジアの現代アートやその中で福岡がどのような役割を果たしてきたのか、アートを通じた海外との交流がどのような意義をなしているのか等を紐解いていきます。

光州事件
1980年5月18~27日、韓国南西部の光州市で起きた、戒厳令下の軍が民主化を求める市民らに発砲等で制圧、約10日間の犠牲者は160人以上とされる。「5.18民主化運動」とも呼ばれている。

山本浩貴(やまもと ひろき) 1986年千葉県生まれ。文化研究者。実践女子大学准教授。2010年一橋大学社会学部卒業、2013年ロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ・オブ・アート修士課程修了。2018年、ロンドン芸術大学博士課程修了。アジア・カルチャー・センター(光州)リサーチ・フェロー、香港理工大学ポストドクトラル・フェロー、東京芸術大学大学院助教、金沢美術工芸大学講師などを経て現職。単著に『現代美術史――欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019年)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022年)。共編著に『この国(近代日本)の芸術――〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』(小田原のどかとの共編、月曜社、2023年)。

内海昭子(うつみ あきこ)  1979年兵庫県生まれ。映像の概念をベースに、風景を再構築し、時間の連続性を表出させるインスタレーション、映像、写真などを制作する。2003年 武蔵野美術大学映像学科卒業、2011年 東京藝術大学美術研究科博士後期課程修了。主な展覧会に越後妻有アートトリエンナーレ(新潟,2006/2009)、“Melting Point” Sema Nanji Residency(ソウル,2017)、 ”cryptophasia” Künstlerhaus Bethanien(ベルリン,2017)、”Making Current” A4 Art Museum(成都,2019)など。ポーラ美術振興財団若手芸術家在外研修助成、吉野石膏美術振興財団若手芸術家在外研修助成にてドイツに滞在。現在は福岡市を拠点に活動している。

山内光枝(やまうち てるえ)  1982年、福岡県生まれ。映像、写真、ドローイング、インスタレーションによる作品を手掛ける。2006年ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ(イギリス)BAファインアートを卒業。2013年には済州ハンスプル海女学校(済州島・韓国)を卒業後、2015年に文化庁新進芸術家海外研究員として、2016年に国際交流基金のアジアセンター・フェローとしてフィリピンに滞在。初の長編映像作品が東京ドキュメンタリー映画祭2019で奨励賞を受賞。最近作「信号波」(2023)は日本統治下の釜山に暮らした自身の家族史に向き合うセルフドキュメンタリー。主な展覧会に、「水のアジア」福岡アジア美術館、福岡(2023)、「Spinning East Asia SeriesⅡ: A Net (Dis)entangled」Center for Heritage Arts & Textile: CHAT、香港(2022)。

第15回光州ビエンナーレ日本パビリオン報告会

日  時:2025年2月11日(火・祝)16:00〜18:20
場  所:Artist Cafe Fukuoka コミュニティスペース
料  金:無料
参加人数:無料(要予約)
問い合わせ:Artist Cafe Fukuoka   Tel. 080-2481-5997 
       (11:00~19:00、月曜休)

申込はこちら 

 

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