
九州国立博物館開館20周年記念
特別展 九州の国宝 きゅーはくのたから
2025/07/05(土) 〜 2025/08/31(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
2025/07/14 |
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お寺の鐘といえばその形や色、音色が思い浮かぶ方も多いでしょう。九州・沖縄にも数多くの鐘がありますが、国宝はわずかに2点。一つが太宰府の観世音寺が所有する飛鳥時代7世紀の鐘、そしてもう一つが福岡市早良区にある西光寺の鐘です。
西光寺の鐘には銘文が鋳出されており、承和6(839)年に伯耆(ほうきの)国(現鳥取県)の金石寺の鐘として造られたことが分かります。その後、戦国大名の尼子経久(1458~1541)によって出雲大社に奉納されるなど、いくつか所在を変え、明治30(1897)年に西光寺の所有となっています。
会場でぜひ二つの鐘を見比べてみてください。観世音寺の鐘が直線的で力強さを感じさせるのに対し、西光寺の鐘は丸みを帯びた輪郭や文様の表現など、全体的に柔和な印象です。鐘身の高さに対する撞座(つきざ)(鐘を突く部分)の位置は、観世音寺の鐘に比べれば相対的に低く、ここにも時代の特色が如実に表れています。西光寺の鐘は平安時代の作例の中では最古級であり、観世音寺の鐘と並んで、その時代を代表する鐘といえるのです。
(九州国立博物館文化財課長・伊藤信二)
◇◇
九州・沖縄ゆかりの国宝などを集めた特別展「九州の国宝 きゅーはくのたから」が福岡県太宰府市の九州国立博物館で8月31日まで開催中。同博物館の学芸員がお薦めする展示品を3回にわたって紹介する。
=(7月11日付西日本新聞朝刊に掲載)=
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