リフレクション　蔵野由紀子　佐野直

※ご来館前に、つなぎ美術館ホームページで詳細をご確認ください。

　絵画の多くは人の心と社会を映してきました。未曾有の危機を迎え激変する時代に、画家は何を考え、絵画は何を伝え残してゆけるのでしょうか。

　繰り返し反射する光や音を受け止めるように、自身に生じるさまざまな事象を作品へと昇華させてきた気鋭の画家、蔵野由紀子と佐野直。これまで当たり前とされてきた価値が問われる時代、熊本を拠点とする両者の作品を展示することで、地方において自身と社会を見つめながら創作活動を続けることの意義を考えます。

　香梅アートアワードは、熊本の菓子メーカー「お菓子の香梅」が、熊本ゆかりの芸術家を顕彰するために2009年に設立した芸術賞です。熊本では唯一の企業メセナによる芸術家のためのアワードとして注目されており、同社の副島隆取締役会長、女子美術大学の日沼禎子教授、つなぎ美術館の楠本智郎学芸員が選考委員を務めています。

　本展は、熊本に根ざした画家の創作活動と、熊本地震や新型コロナウイルスによって損失を被ったにもかかわらず、熊本の芸術家を支えるアワードを継続する同社のメセナ活動を公立美術館として側面から支援する展覧会です。