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福岡アジア美術館
2019/02/22 |
福岡を拠点に写真や動画制作の分野で活動するクリエーターに光を当てるイベントが企画されている。福岡市中央区六本松の市科学館などで23日開幕する「福岡アジアアートウィーク2019 the finders(ザ・ファインダーズ)」。美術や音楽分野と併せ「アーティスト」として作品を紹介し、その才能を広く発信する。3月2日まで。
多くの商業カメラマンが活動
福岡は、カメラマン人口などの実態は不明だが、九州産業大芸術学部は「体感的に、フリーの商業カメラマンが比較的多い都市」と指摘。その根拠について同大の百瀬俊哉教授(写真表現)は「写真を扱う広告制作会社などが集積する上、広報物発行を外部委託する企業や自治体が多く、多様なニーズに応じる形で写真を供給する人が増えている」と話す。
映像や音楽、ゲームなどコンテンツ産業の振興に取り組む福岡市は、こうした人材を「産業資産」と位置付け、産業振興に向けた人材育成を課題に掲げる。イベントは、産学官でつくるコンテンツ産業の振興団体「クリエイティブ・ラボ・フクオカ」(略称CLF、事務局・同市コンテンツ振興課)などが企画した。
イベント名の「ファインダー」は、カメラで撮影時にピントや構図を確認するのぞき窓のほか「発見者」という意味もあり、「才能に直に触れた市民が“発見者”となり、次世代を担う人材を掘り起こす」とのコンセプトを込めている。
彼らの才能は公募作品の展示で紹介する。写真・動画部門はプロ・アマを問わず、撮影を職業としていても知名度が高くない若手クリエーターらを対象に公募。4月末に平成が終わり、新時代を迎えるのを見据え「24HOURS IN HEISEI(平成の24時間)」をテーマに掲げ、優秀作品約30点を市科学館3階企画展示室で展示する。無料。
売れっ子写真家とコラボ展示
審査委員長を務めたのは、九州産業大客員教授を兼務する写真家ハービー・山口さん。「スナップ・ポートレート」という撮影スタイルで多くの作品を残し、松任谷由実さんや桑田佳祐さん、山崎まさよしさん、福山雅治さんら有名ミュージシャンのCDジャケットも手掛けた売れっ子だ。山口さんはイベントに合わせ、市科学館と同じ施設に入居する六本松蔦屋書店で個展も開催。CLFは「作品がプロ写真家の目に留まり、プロとコラボで作品展示できる仕掛け。地元クリエーターの活動の刺激になれば」と期待を寄せる。
こうしたコラボ企画は美術や音楽部門にも取り入れる。福岡アジア美術館(博多区)ではタイや台湾などアジアで活躍する新進気鋭のアーティストに交じり、地元の若手美術家らが出展(無料)。市科学館では、福岡を拠点に活動するロックバンド「THE PERFECT ME(ザ・パーフェクト・ミー)」や現役高校生ミュージシャン「MEGA SHINNOSUKE(メガ・シンノスケ)」と、事前審査で選ばれた地元ユニット1組が競演するライブ(有料)もある。
山口さんは西日本新聞の取材に「一滴でも人より多く汗を流せることに出合ったら、迷わず続けること。世の中はスターを捜している。ファインダーズ=発見者はあなた(市民)です」と話し、イベントをアピール。期間中、山口さんらが講師を務める特別講義(有料)もある。問い合わせはファインダーズ事務局=050(6874)2027。(木村貴之)
=2019/02/15付 西日本新聞朝刊=
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