日中文化交流協定締結40周年記念
特別展「三国志」
2019/10/01(火) 〜 2020/01/05(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
アルトネ編集部 2019/12/18 |
九州国立博物館で開催中の特別展「三国志」(2020年1月5日まで開催中)で、展覧会のみどころや作品解説を楽しむ “視覚に障害のある方のための特別展「三国志」観覧ツアー” がおこなわれました。すでに特別展「三国志」はレポートしていますが、レプリカなど触ることのできる作品も準備されているとのことで、これまでとは別の角度からその魅力を探れるのでは?とARTNE編集部も参加してまいりました。
▽三国志展のレポートはこちらからどうぞ。
12月5日の閉館後におこなわれた本ツアーには、視覚に障害のある方と介助者の方 合計16名が参加されました。九州国立博物館では、前回の特別展「室町将軍展」に続いての視覚に障害のある方向けツアー開催となり、リピーターの方もいらっしゃいました。
まずは、本ツアーのナビゲーターを務める特別展「三国志」担当の川村佳男主任研究員が魏の礎を築いた武将・曹操(そうそう)の衣装をまとって登場。
また、今回のツアーの様子は中国学術交流団として来日しているみなさんも見学され、ツアーの開始前には、「我々の館から貸し出して出展されている文物もありますので、ぜひお楽しみください。」遼寧省博物館の劉寧副館長がご挨拶されました。
はじめに、配布された地図・年表をもとに川村研究員が三国志の時代を解説しました。地図は触ってみると魏・蜀・呉それぞれ別の模様の凸凹が印刷されていて、魏の広大さがよくわかります。
ところで、三国志で登場する地名や人名の漢字は普段使わない文字もかなりあって、どれもとても難しいですよね。おまけに同音もたくさんあります。本ツアーでは「魏という字は、のぎへんの“禾”の下に“女”、その横に“鬼”と書きます」というように、難しい文字をイメージできるように丁寧に解説されていました。
そして展示品の解説へ。まずは本展のメインビジュアルにもなっている《関羽像》です。
「数ある関羽像の中でも最も美しい」「座っているのに170cmもある」「眉間にしわを寄せ、威圧感あふれる表情」「引き締まった肉体でまさに武の神様にふさわしい」「背景には炎のような真っ赤なパネルが」といった具合に、細かく言葉で描写されるのを聞いていると、一つの展示品をじっくり鑑賞する面白さが浮かび上がってきます。
続いては、三国志の時代の武器が並ぶエリアに移動します。天井には、『三国志演義』で人気のエピソード、赤壁の戦いの前哨戦をイメージした大量の矢が吊るされています。川村研究員が「ここには矢が千本もぶら下がっています」と説明すると、参加者の方々からは「おおー!」と歓声が上がりました。
ここでは、武器の実物大模型を触って、三国志の時代の戦いに思いを馳せます。弩(ど)、戟(げき)、太刀、鉤鑲(こうじょう)、撒菱(まきびし)の5種類ある武器のレプリカが用意され、大きさや形の特徴などを体感していきます。
次は、福岡の人たちにとって特に興味津々の金印の展示まで移動します。
本展では、一級文物「魏帰義氐侯(ぎきぎていこう)」金印が展示されています。金印や銀印などは、乾くと固まる粘土質のものに押印して使っていたそうで、本ツアーでは、金印のレプリカを粘土に実際に押してみました。
最後に解説されたのは、一級文物「童子史綽(どうじししゃく)」名刺です。三国志の時代には、身分のある人に面会を求めるとき名刺を差し出す習慣があったそうです。木の札でできた名刺には、文章のほか、姓名、字(あざな)、本籍地が記載されていることが重要だったそう。同じサイズ(一尺 24cm程度)のレプリカを触って、当時の人々の面会の様子を思い浮かべます。
参加者の方々からは口々に質問が飛び出し、活発な会話が生まれた鑑賞ツアーでした。特別展「三国志」はいよいよ2020年1月5日まで。会期残り少なくなってきましたので、お見逃しなく。
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