【韓国を代表するアーティストの特別企画展など】2022年、鹿児島県霧島アートの森の注目展覧会

　九州、山口エリアの展覧会情報を発信するARTNE（アルトネ）による、各施設の展覧会ラインナップから注目の展覧会をご紹介するシリーズ。今回は鹿児島県霧島アートの森編です。

 

■美術家 植松奎二による知覚を超えた発見の場を表出

 

特別企画展 植松奎二展
2022年7月15日（金）～９月11日（日）

　美術家・植松奎二は、鉄や石、ガラスなどを用いた彫刻のほか、映像や写真、インスタレーションなどの制作を通して、自然や地球、宇宙といった世界の構造と私たちの存在、相互の関係性について表してきました。

　本展は、私たちの持つ常識を覆し、言葉と思考と視覚が一体となった小さな宇宙空間をつくり出すことによって、植松による知覚を超えた発見の場を表出するものとなるでしょう。

 

■韓国を代表する現代アーティスト チェ・ジョンファの個展

開館20周年記念特別企画展　チェ･ジョンファ展
2022年10月14日（金）～12月11日（日）

　強烈な色使いやダイナミックな造形によって国内でも広く知られている韓国を代表する現代アーティスト、チェ・ジョンファの個展。本展は、2020年に開館20周年として企画しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大により延期となりました。

　チェは、日常生活の事物から着想を得て非日常的な作品へと昇華させる手法に加え、パンデミック下の生活によって新たに「相利共生」の視点に着目し、ここでしか見ることのできない独自の表現を展開します。

 

■ 糸を空間に拡張させるインスタレーション作品を展示

アートラボ 平川渚展
2022年12月21日（水）～2023年2月12日（日）

　美術家 平川渚は地域に滞在し、人々の営みを手がかりに、糸を空間に拡張させる作品を制作してきました。

　本展は、2021年に鹿児島県湧水町を舞台に実施した「『手編みの物語をあつめる』プロジェクト」の成果を踏まえつつ、社会を取り巻く環境が変化する中で自己や他者の存在を確かめるように昇華させてきた平川の作品を展観します。日常の何気ない事象から紡ぎ出された新しい物語を体感するものとなるでしょう。

 

■ひたすらイカの絵を描き続ける「イカ画家」の展覧会

アートラボ 宮内裕賀展

2023年2月22日（水）～4月16日（日）

　宮内裕賀は、イカの美しさと美味しさに魅了されて以来、ひたすらイカの絵を描き続ける「イカ画家」です。

　宮内は、2021年に鹿児島県湧水町で、これまでで最も大きな作品を公開制作し、濃密な彩りを画面に施すことで生きることの歓びを表しました。本展は、「イカ」という生命の美しさや儚さに着目し、社会の変化や自身の内面を反映させた宮内の作品群を通して、現代を生きる私たちや文明の有り様について見つめ直すきっかけを創出するものとなるでしょう。