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【コラム】エルマーのぼうけん展連載㊥ 豊かな発想 幼少期から

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アルトネ編集部
2024/08/18
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 2回目は、今年6月に100歳で亡くなった作者のルース・スタイルス・ガネットさんの人物像や、創作の背景などが分かる展示について紹介する。

 1923年に米ニューヨークで生まれたガネットさんは、ともに政治や社会問題を論じる雑誌の記者だった両親の下で育ち、お話を創作するのが好きな子どもだった。大学を卒業した22歳の頃、退屈しのぎに書き始めたのが、シリーズ1作目の「エルマーのぼうけん」だった。

竜の人形を抱いたガネットさん

 会場には、お話を両親や学校の先生が記録したノートや手作りの作品集、のびのびと描いた鉛筆画など、子ども時代の豊かな発想を伝える資料や、ガネットさんが所蔵していたシリーズのダミー本(手作りの本の原型)などを展示。今も世界中で愛読されるロングセラーの原点をたどれる。

ガネットさんが幼少期に描いた鉛筆画

 

 また、挿絵を担当する父親の再婚相手にイメージを伝えるため、ガネットさんが制作した竜の人形も並ぶ。強く勇ましい竜ではなく、子どもが思わず助けてあげたくなるようにかわいらしく仕上げたそうだ。竜の形や動きが一目で分かり、70年以上を経た今でも色鮮やか。その隣には、同じくガネットさんが作ったエルマーの人形が仲良く寄り添っている。

       ◇   ◇

おいでよ!夏の美術館vol.1 エルマーのぼうけん展 25日まで、福岡市博多区の福岡アジア美術館で開催中。一般1400円、高大生千円、小中生700円、未就学児無料。問い合わせは西日本新聞イベントサービス=092(711)5491。

  
=(8月9日付西日本新聞朝刊に掲載)=

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