
ポップ・アート 時代を変えた4人 POP ART THE FAB 4 ! & 4 SPECIAL GUESTS
2025/05/17(土) 〜 2025/06/29(日)
09:30 〜 17:30
北九州市立美術館 本館
アルトネ編集部 2025/05/29 |
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現在、北九州市立美術館では「ポップ・アート 時代を変えた4人 POP ART THE FAB 4 ! & 4 SPECIAL GUESTS」が開催されています。(6/29まで)。現代においても広く流通するイメージがどのような時代背景で、どんなカルチャーと結びつき生まれたのか展望いただける機会です。「ポップ・アート展」担当学芸員の清田幸枝さんにご寄稿いただきました。
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ポップ・アートが最盛期を迎えた1960年代アメリカでは、大量生産・大量消費社会が到来するとともに、若者たちを中心にベトナム戦争や人種差別への反対運動が起こるなど激動の時代を迎えました。当時の社会情勢を背景に、アーティストたちは、メディアから流れる商業広告や量産された商品など、大衆文化から着想を得た作品を次々と描いていきます。なかでもポップ・アートの先駆者とも言われたのが、ジョーンズやラウシェンバーグでした。
ジョーンズは、アメリカ国旗や標的、誰もが知る数字や記号、サインなど、量産される大衆的なイメージを絵画に持ち込みました。ラウシェンバーグは、日用品や広告、新聞、写真などの身近な素材をコラージュして絵画へと成立させる作品を発表し、注目を集めます。
また本展出品作家のひとり、リキテンスタインは、コミックの一コマを大きく引き延ばし絵画に転用させた作品を制作します。本展出品作《パーン!》にみられるような、印刷の網点(ベンデイ・ドット)や、平坦な色彩、幅広い輪郭線を用いた独自のスタイルは、これまでにない新たな表現として、ポップ・アートの代表的な作家としての評価を確立していきました。
ウォーホルは、ザ・ローリング・ストーンズやヴェルヴェット・アンダーグラウンドなど多くのロック・ミュージシャンのアートワークを手がけ、音楽の世界にも大きな影響を与えました。出品作《9枚のレコード》にもみられるように、70年代後半から80年代にかけては、発注肖像画として著名人のポートレイトを数多く生み出していきます。またポートレイトのほかにも、ウォーホルの代表的シリーズ《キャンベル・スープ》のように、日用品や商品が記号化され大量に生産・消費されていく大衆社会のイメージを芸術作品として写しかえ、反復するように現代社会の様相を表現し続けました。
本展ではスペシャルゲストとして、彼ら4人とともに活躍したアーティスト—ロバート・インディアナ(1928-2018)、ジェームズ・ローゼンクイスト(1933-2017)、トム・ウェッセルマン(1931-2004)、ジム・ダイン(1935- )らを特集します。
新たな時代を彩ったポップ・アートの軌跡を、ぜひ会場でご覧ください。
なお、コレクション展示室では、「特集 マティスとピカソ」(5月31日(土)から9月21日(日)まで)を開催します。20世紀を代表する2人の芸術家、アンリ・マティス(1869-1954)とパブロ・ピカソ(1881-1973)の版画集、マティス『ジャズ』全20点とピカソ『ヴォラールのための連作集』全100点を一挙公開します。
この機会にぜひ「ポップ・アート」展とあわせてお楽しみください。
(北九州市立美術館学芸員 清田幸枝)
北九州市立美術館 本館で6/29(金)まで開催中
ポップ・アート 時代を変えた4人 POP ART THE FAB 4 ! & 4 SPECIAL GUESTS
展覧会情報はこちら
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