九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

ARTNE ›  FEATURE ›  コラム ›  【コラム】日本画家と南国 福岡市美術館特別展より<下>島で見た労働の現実

【コラム】日本画家と南国 福岡市美術館特別展より<下>島で見た労働の現実

2025/11/04 LINE はてなブックマーク facebook Twitter
赤松俊子「アンガウル島に向かう」(1941年、丸木ひさ子氏蔵)

 船の中で身を寄せる南洋諸島の人々。ある者は足を投げ出し、ある者はぐったりと横たわり、船内にはけだるい雰囲気が漂います。工業製品の原料であるリン鉱山があるアンガウル島へと向かう途中です。

 作者の赤松俊子(丸木俊、1912~2000)は、日本画家の丸木位里と結婚し、原子爆弾の惨状を主題とした「原爆の図」を描いたことで知られます。

 その少し前、1940年に南洋諸島に渡りました。彼女が決意していたのは「ゴーギャンのように南の島で絵を描き続ける」こと。約3カ月間にわたって島々を巡り、現地の暮らしや文化を明るく奔放なタッチで描きました。

 「アンガウル島に向かう」は、彼女の作品群の中でも異色です。日本の委任統治下にあった南洋諸島の人々に課せられていた過酷な労働の現実を、鋭く捉えています。よく見ると、登場人物の目の部分が白く塗り残されており、こちらを見つめながら「これが現実だ」と訴えかけているようです。
(福岡市美術館・忠あゆみ)

珠玉の近代絵画―「南国」を描く。 11月24日まで、福岡市美術館(福岡市中央区)。藤田嗣治ら明治以降の日本画家が「南国」をテーマに描いた作品を展示。
「日本画家と南国 福岡市美術館特別展より<上>天と対話できる土地」を読む
「日本画家と南国 福岡市美術館特別展より<中>花鳥に熱帯の生命力」を読む

=(10月31日付西日本新聞朝刊に掲載)=

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini 5435848923

特別展「若冲、琳派、京の美術ーきらめきの細見コレクションー

2026/04/21(火) 〜 2026/06/14(日)
九州国立博物館

Thumb mini 774a132be2

特別展 大恐竜展 ~「フクイ」から探る獣脚類の進化~

2026/04/24(金) 〜 2026/06/28(日)
福岡市博物館

Thumb mini 7ef2333063

小磯良平展ー幻の名作《日本髪の娘》

2026/04/18(土) 〜 2026/06/21(日)
福岡市美術館

Thumb mini c38977284b
終了間近

コレクション展Ⅲ 特集 没後5年 菊畑茂久馬

2026/01/31(土) 〜 2026/05/06(水)
北九州市立美術館 本館

Thumb mini b1f7d1260b
終了間近

特別企画展
なんだこれは!岡本太郎展

2026/03/20(金) 〜 2026/05/06(水)
鹿児島市立美術館

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini fc6cab0956
ニュース

【NEWS】福岡/11月の展覧会まとめ

Thumb mini 1e7cbc9a80
コラム

【コラム】日本画家と南国 福岡市美術館特別展より<中>花鳥に熱帯の生命力

Thumb mini cc3ebbe81a
コラム

【コラム】日本画家と南国 福岡市美術館特別展より<上>天と対話できる土地

Thumb mini 2cf5f5c0fb
ニュース

なぜ、画家は「南」に憧れたのか?展覧会『珠玉の近代絵画ー「南国」を描く。』10月11日から福岡市美術館で開幕

Thumb mini 51860da577
ニュース

【NEWS】福岡/10月の展覧会まとめ

特集記事をもっと見る