中原未央展～儚さと記憶、果実のある風景～

※新型コロナウイルスの感染拡大状況等によって変更、中止する場合があります。ご了承ください。

　平成29年度より開始した未来への視点シリーズは、斬新なテーマ性と新たな存在感を示す若手作家を紹介する企画展です。今回は独立賞をはじめ、青木繁記念大賞ビエンナーレ展においても大賞を受賞した中原未央氏を紹介します。

　中原の作品は、アクリル絵の具と油絵の具を併用する混合技法によって制作する緻密な写実絵画で、確かな描写力と細部まで描き込まれた重厚な画風は、独特の世界観を感じさせます。

　彼女の作品の根底にあるのは命の持つ生死観や神秘性または包容力というようなものであり、その崇高な生命に対する畏敬の念を、彼女自身のメタファーである朽ちゆかんとする果実として表現されています。このか弱さの象徴とも言える儚き存在を包み込むように収めている箱には、 いくつかの場面的風景が並置しています。

　このような画面構成によって描かれているシュールな心象風景は、見るものにとって何らかの懐かしさを想起させるとともに、遠い記憶の断片を垣間見るような不思議な感覚を呼び覚まさせてくれる作品となっています。

■関連イベント 
作家と学芸員によるギャラリートーク「自己の表現について語る。」
日時：2021年2月21日（日曜日）14：00～15：30
場所：大川市立清力美術館
定員：10名（要事前申込）定員になり次第締切
費用：無料（別途、入館料必要）
お申し込み、お問い合わせは清力美術館まで