藤島武二展

藤島武二は1867年、薩摩藩士の三男として鹿児島市に生まれた。18歳で上京し、1896年、黒田清輝の推薦で東京美術学校西洋画科の助教授に就任。その後、晩年まで、白馬会や文展、帝展などを舞台に話題作を発表し続けると同時に、アカデミズムの柱石として多くの後進を育てた。また、二度にわたる皇室への献上画、第1回文化勲章受章など、まさにわが国を代表する洋画家として活躍した。

鹿児島市立美術館で開催される「生誕150年記念　藤島武二展」では、初期の明治浪漫主義の耽美的な女性像、留学時代の簡潔な人物画や風景画、転換期の典雅な横顔の美人画、晩年の抽象絵画に接近した力強い風景画など、各時代の代表作を展観するほか、書籍の装幀や雑誌の挿絵などのグラフィック・デザインの業績にもスポットを当てる。また、初公開となる作品や資料等に加え、日本画や油彩画の内外の師匠の作品も併せて、約150点を展示することで、藤島芸術を多面的に紹介する。