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市博で「古代エジプト展」が好評開催中! 棺12点の圧巻の立体展示やミイラのCTスキャン解析も

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秋吉真由美
2022/05/19
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 福岡市博物館(福岡市早良区)で開催中の特別展「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」。約2万5千点にのぼる膨大な古代エジプト・コレクションを誇るオランダのライデン国立古代博物館から、約250点が集結しています。

 

ミイラや棺など約250点が一堂に

 ヨーロッパの古代エジプトへ向けられた関心の歴史をはじめ、現地への調査から分かった古代エジプト人の生活や死生観を紹介するほか、ずらりと変遷に沿って立体に展示された圧巻の棺、最新のCTスキャン技術で解析されたミイラのCG映像などを展示。より深く古代エジプトに触れられる展覧会となっています。

 古代エジプトの知識がヨーロッパに伝わったのは、ナポレオンが1798年から1801年、エジプトへ軍事遠征を行ったことが最大のきっかけとのこと。

 遠征時に発見されたロゼッタ・ストーンを手掛かりに、フランスの言語学者シャンポリオンが古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」を解読します。

《ロゼッタ・ストーン(レプリカ)》
ロンドン 1972年

 その後も様々な学者の手によって遺跡調査が続けられ、1859年にエジプト考古局が開設。考古学の発展へとつながります。ライデン国立古代博物館は1950年代からエジプトでの発掘を始めました。

《ツタンカーメン王の倚像》
テーベ 新王国時代、第18王朝、前1330年頃
「ラー神のごとく永遠に命を与えられた、2国の王座の主であるアメン・ラー神に愛されるもの」と彫られた背柱。
上部は、カルトゥーシュ(王名を記す枠)の内部が削られていることも分かります。
(左から)《名前不詳の供養碑》
ゲベレイン(?) 第1中間期、第11王朝、前2000年頃
 
《クウと家族の供養碑》
アビドス 中王国時代、第12王朝
アメンエムハト2世の治世(前1878-1843年頃)
本展の音声ガイドでは、声優の森川智之さんがヒエログリフ全文の朗読に挑戦されています!
《パマアエフの碑》
テーベ
第3中間期、第22王朝(前943-746年頃)

 古代エジプトは多神教であったのも特徴の一つで、神々と王権は密接な関係にありました。動物の姿や頭部、翼、角などの属性を持った人間として表し、崇拝されていました。

 邪悪と恐れられたヘビ「アポフィス」を倒すラー、太陽神アトゥムなどの神々と関連付けられていたエジプトマングース「イクニューモン」。

《イクニューモン》
エジプト
後期王朝時代(前722-332年頃)

 前脚(両手)を挙げる可愛らしい姿は、実は古代エジプトでは礼拝のポーズを表しています。(ただし、イクニューモンは神なので、本当は礼拝される側でもあります。)

《台座にのったイクニューモン》
エジプト
後期王朝時代(前722-332年頃)

 一方、《台座にのったイクニューモン》は、両側の2匹の猫とともに獲物をつかまえ、「邪をはらう」姿を表現していると考えられています。

《ネスナクトの『死者の書』》
エジプト
グレコ・ローマン時代、プトレマイオス朝(前304-30年頃)

 永遠の生を信じた古代エジプト人は、肉体を保存することで、そこに死者の魂が絶えず戻ることができると考え、ミイラが制作されていました。身を守る護符や宝飾品、来世へ到達するための呪文が書かれたパピルス、死者が来世で休めるように身代わりとして労働を行う使用人の意を持つ人形「シャブティ」などがともに埋葬されています。首飾りには、ファイアンスや紅玉髄、ラピスラズリや金などが使われています。

《さまざまな色のガラス製ビーズが付いた首飾り》
エジプト 年代不詳

《護符のついた首飾り》
エジプト 新王国時代(前1539-1077年頃)
《ネヒのシャブティ》
アビドス(?)
第2中間期(前1759-1539年頃)

 

12点の棺を立体展示

 埋葬習慣と儀式の変化は、木棺の変遷からも感じられます。会場では、第3中間期から後期王朝時代にかけての色鮮やかな12点の棺が並びます。

 普段、展覧会では横にして展示されていることが多い棺ですが、本展では立体的に展示。

 木棺の大きさや幅を体感しながら、同じ目線で鑑賞できる貴重な機会となっています。

 

CTスキャンによるミイラ解析結果を世界初公開

 来場者を魅了するエジプトのミイラ。以前は包帯をほどいて研究していたこともあったそうですが、科学技術の進歩によりミイラを傷つけることなく解析できるようになったとのこと。包帯の間の護符を取り出すことなく観察できるほか、ミイラの顔の復元も実現するなど、新たな研究も進んでいるようです。

 会場では、人間のミイラ3体と動物のミイラ1体を、本展のためにCTスキャンにかけて解析。

 推定年齢や歯の状態、付けている護符の首飾り、病気の痕跡など、最新機器を使った解析結果が世界初公開されています。

 

展覧会オリジナルグッズや人気キャラとのコラボも

 併設するショップでは、種類豊富な展覧会オリジナルグッズがそろっています。

オリジナル ポストカード 130円(税込)
オリジナル アクリルオブジェ 800円(税込)
オリジナル ラバーダック 1,540円(税込)
オリジナル 棺カンバッジ 330円(税込)
オリジナル《シェ・シバタ》塩キャラメルチョコレートクランチ 864円(税込)
オリジナル《チョコレートショップ》コラボショコラ(数量限定) 1,728円(税込)

 展覧会オリジナル商品のほか、「リラックマ」や「すみっコぐらし」のコラボグッズも好評です。

リラックマ ぶらさげぬいぐるみ (左から)コリラックマ(メジェドさま風)1,540円(税込)
キイロイトリ(メジェドさま風)1,320円(税込)
リラックマ(エジプトの戦士風+ねぶくろ)2,200円(税込)
すみっコぐらし てのりぬいぐるみ (左から)ピラミッドのおうち 1,100円(税込)
ぺんぎん?(探検家)990円(税込)
すなやま(ピラミッド風)660円(税込)
すみっコぐらし てのりぬいぐるみ たぴおか(ミイラ風)/古代エジプト風ベッド/メジェドさま風衣装セット 2,200円(税込)
とんかつ(ツタンカーメン風)990円(税込)
えびふらいのしっぽ(クレオパトラ風)880円(税込)
©2022 San-X Co., Ltd. All Rights Reserved.

 特別展「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」は、6月19日まで。お見逃しなく。

 

特別展「ライデン国立古代博物館所蔵 古代エジプト展」の公式サイトはこちら

チケットは、ARTNEチケットオンラインで発売中。

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