江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
福岡アジア美術館
秋吉真由美 2023/06/21 |
『千と千尋の神隠し』『となりのトトロ』『もののけ姫』など数々の名作を生みだしてきたスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんを通して、ジブリ作品の魅力に迫る展覧会「『鈴木敏夫とジブリ展』また、会えたね!」が6月9日、福岡市博物館で始まりました。
鈴木さんの感性を育てた、今までに影響を受けたモノやプロデューサーとしての仕事の裏側などに迫る本展の魅力をお届けします。
1948年、愛知県名古屋市に生まれた鈴木さんは好きな漫画や小説、映画に囲まれた少年時代を過ごします。本展では、鈴木さんが夢中になったという映画や本を少年編や青春編に分けて紹介。少年時代には、当時子役スターだったヘイリー・ミルズの映画をはじめ、漫画誌が並び、大学時代にはさらにジャンルが広がり、深い人間ドラマを描いた小説や名画が並びます。“血肉となった”と鈴木さんが言うラインアップはとても興味深いです。
大学卒業後、徳間書店に入社した鈴木さんは日本初のアニメーション専門誌『アニメージュ』の創刊メンバーとなります。鈴木さんは、“アニメーションの人気の秘密はキャラクターにある”と分析し、キャラクターをアイドルのように扱ったほか、製作陣にスポットを当てるなど、型にはまらない誌面作りを展開。アニメージュは一躍人気アニメ情報誌へと成長します。物事を俯瞰する力や分析力に長け、当時からすでに名プロデューサーの片鱗を示していたそうです。
アニメージュの取材がきっかけで出会った高畑勲監督と宮崎駿監督とともにスタジオジブリを設立します。
会場には『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『火垂るの墓』『千と千尋の神隠し』など、老若男女に愛される名作が生まれるまでの苦労が垣間見える資料がずらり。
誕生秘話や手書きの企画意図、試行錯誤した様子が見て取れるポスターやキャッチコピー案など、スタジオジブリのものづくりの真剣さがひしひしと伝わってきます。
制作費の予算などが明記された手書きの説明資料や制作の進捗表など、プロデューサーとしての苦労が見える資料も。鈴木さんの仕事ぶりをのぞけます。
鈴木さんは書家としての一面も持っています。舞台『千と千尋の神隠し』のタイトル書などのほか、ジブリ作品の名セリフを巨大オブジェにしたフォトスポット空間も。
鈴木さんが東京・恵比寿に持つ隠れ家「れんが屋」の書庫の雰囲気を再現した空間は圧巻。8,800冊の書籍が並んでおり、本好きにはたまらない空間となっています。
一部、手に取って見られるものもあるので、静かに座って読書をしているカオナシとともに本の世界に浸ってみてください。
福岡会場から初登場した鈴木さんの約1万作品の映画コレクションも貴重。本も映画も、鈴木さんの日々のインプット量の多さに驚かされます。
鈴木さんによる素敵な“言葉”が描かれたおみくじが引ける、湯婆婆と銭婆の「“恋愛・開運”おみくじ」という楽しい仕掛けも。ぜひ引いてみてください!
会場にはグッズ売り場も併設し、展覧会オリジナルグッズなどが並びます。
「僕を通してジブリのルーツを見てください」と開幕に合わせて福岡会場を訪れた鈴木さん。
展覧会「『鈴木敏夫とジブリ展』また、会えたね!」は8月31日までです。スタジオジブリの貴重な資料が盛りだくさんで、とても見応えのある展覧会となっています。
また、7月14日(金)までの平日限定で、鈴木さん直筆の神様たちが描かれたステッカー(2種セット)を来場者にプレゼント(※各日数量限定。お渡し分が無くなり次第終了)。貴重な「油屋印」ステッカーです。こちらもお見逃しなく。
「鈴木敏夫とジブリ展」また、会えたね!
https://suzukitoshio-ghibli-fukuoka.com/
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