日タイ修好130周年記念
特別展「タイ~仏の国の輝き~」
2017/04/11(火) 〜 2017/06/04(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
木下貴子 2017/05/18 |
「見たい 知りたい よかタイ!」と「たいタイ」づくしの展覧会「タイ~仏の国の輝き~」の魅力をお届けするレポート第2弾。今回は4月10日(月)に行なわれた開幕式と、展覧会場にやってきたタイ仏像大使のいとうせいこうさんとみうらじゅんさんのインタビューをお届け。
日タイ修好130年の節目に両国が総力を結集した空前の展覧会「タイ展~仏の国の輝き~」の開会式が、九州国立博物館の広いロビーを舞台に盛大に行なわれた。日本側とタイ側から錚々たる顔ぶれの来賓を含む、約760人が参列。期待に溢れる人々を前にタイの古典舞踊が披露され、また、九州国立博物館の島谷弘幸館長、小川洋福岡県知事、タイ王国文化大臣ウィーラ・ロートポッチャナラット閣下らが挨拶された。
開会式のお決まり、テープカット! テープをカットされる方々のお名前が呼ばれ、次々とテープの前に並ばれていくが……なぜか、ぽっかりと空間が。
と、そこに、いとうせいこうさんとみうらじゅんさんが登場。前日のトークで福岡にやってきていたテープカッターズのお2人がやって来ないわけはなかった。
テープカット!
無事に開幕し、テープカッターズは特に言葉を発さずに退場。まさにテープカットのみ行なうという徹底した2人だったが、こちらもライターの使命を果たすべくこの機を逃さじと彼らにインタビューを遂行!
―「タイ展」の感想を。
いとう やっぱりおもしろい。おもしろいし、今回の目玉のひとつ「ナーガ上の仏陀坐像」をはじめ、いくつかの仏像が360度どこからでも見られるっていうのがすごかった。タイの人だって見たことないと思いますよ、後ろ側は。あと、展示物との距離もめっちゃ近いんだよね。《法輪》とかも触ろうと思えば触れるぐらいの距離。
みうら セキュリティのレーザーも引いてなかったもんね。素材が石というのはあるんでしょうけど、より近くで見ることができます。俺、いろんな展覧会で近寄り過ぎてずいぶんレーザー鳴らしてきたから(笑)。
いとう (笑)。そうだよね、興奮するとつい前に行くからね。
みうら ビービー鳴らしてしまうこともあるけど、この展覧会はレーザーが当たんない。
いとう その理由は、レーザーがないから!だからもう空気まで味わえる。こんな近い展覧会ってあんまりないんじゃないですかね。
―お2人の見るポイントがユニークで、また楽しんで見ているなと。
みうら 僕ら、像と思って見てませんから。現実に仏様が座っていると思って見るとよりグッとくるし。例えば《ナーガ上の仏陀坐像》とかは座ってられるのが蛇で、それは当然、質感はふかっとしているだろうなって思うじゃないですか。
いとう カチンカチンなわけないもん蛇が。
みうら そりゃ固いけど、弾力はあるでしょと思う。生きていると思ってみると楽しい。展示物と思ってしまわないことです。イマジンが大切。一応横に解説があるけど、読まなくていいから(笑)。
いとう 解説に目をやってしまうと、びっくりがなくなるよね。理屈を知りたんであれば、本でいい。わざわざ掘り起して展示したということは、理屈じゃない感覚を伝えたいということだと思う。
みうら よく考えると、そんなわけないじゃんって思いますけどね。でも、そこが人を超えた存在なんだって。
いとう そのわくわくをエンターテイメントとして楽しむことが大切じゃないですか。
―一つひとつ作品解説してもらいたいぐらいです。
いとう 僕もずっと解説したくなるぐらい、おもしろい展覧会ですね。
みうら ただ僕らの解説はね、間違っていることも多いから(笑)。
いとう 想像で言っているだけだから、基本的に。
みうら 正しいことはカタログに載っていますから。
―来ることによって感じることが重要?
いとう 来なければ、感じられない。それこそメディアで見たり知ったりするだけでは「教養」になっちゃうんですよ。来ると「体験」になるから、おもしろくなっちゃうんだよね。
お2人の話に一層と高まった「知りたい!」気持ちを胸に、いざ展覧会場へ。その様子はレポート第3弾にて!
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