富野由悠季の世界 -ガンダム、イデオン、そして今
2019/06/22(土) 〜 2019/09/01(日)
09:30 〜 17:30
福岡市美術館
2019/08/10 |
数々のオリジナルアニメーションの総監督を務めた富野由悠季(よしゆき)氏の作品や込められた主張を紹介する「富野由悠季の世界」展は、20日付で掲載した福岡市美術館の山口洋三学芸係長をはじめ全国6美術館の学芸員7人が協力して企画した。学芸員それぞれの「イチ押し」の展示を聞いた。
小林公さんは兵庫県立美術館(神戸市中央区)で近現代美術を受け持つ。本展を担当した学芸員7人のうち最年少。塾から帰宅すると放送されていたのが「機動戦士Z(ゼータ)ガンダム」(1985年)だった。
「イチ押し展示」で挙げたのは、「∀(ターンエー)ガンダム」(99年)の宣伝用などに描かれたイラスト原画4点だ。約三千点もの展示物の中で唯一の油絵群である。筆を執ったのはキャラクター原案を担当した安田朗(あきら)氏。当時、ゲーム会社のクリエーターとして格闘ゲーム「ストリートファイターⅡ」に携わっていた。その活躍に注目した富野氏が三顧の礼で迎えたとされる。
∀ガンダムは、テレビ版「機動戦士ガンダム」(79年)放映開始20周年の記念作品。「安田さんの原画は作品にクラシカルな風格を与え、ガンダムに新たな物語が始まることを予感させた」と評する。[兵庫県立美術館 会期 2019年10月12日(土)~12月22日(日)]
若松基さんの肩書は水墨画を中心に日本の近代以降の「美」を紹介する富山県水墨美術館(富山市)の学芸課長。富野氏の作品とどう結びつくのか。
ガンダムシリーズの口火を切ったテレビ版「機動戦士ガンダム」の放映時、人気キャラクターとなった主人公のアムロ・レイと同じ15歳だった。「直撃世代です」と笑う。テレビや映画を食い入るように見つめたという。
「『これだ。子どもだましではないリアルなアニメが見たかった』と直感した。映像と物語が一体化して心に残った」と振り返る。
展覧会の準備をする中で富野氏直筆絵コンテの役割の大きさを痛感した。担当した「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」(88年)でも、戦闘シーンなどを巡り富野氏が細かな指示を積み重ねた数多くの絵コンテを展示した。「何十回見ても、また新たな発見がある」という映像の基になったのが綿密な絵コンテだ。[富山県美術館 会期2020年7月~9月(予定)](文・大西直人、写真・納冨猛)=7月23日 西日本新聞朝刊に掲載=
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