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福岡市博物館
アルトネ編集部 2020/05/04 |
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せっかくのGWも新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、外出自粛が続いていますが、こんな機会だからこそゆっくりと福岡の歴史に触れてみるのはいかがでしょうか。今回は、福岡市博物館にある『兜』について学芸員さんより伺ったお話をご紹介いたします。
《二つの大水牛》
福岡市博物館には、初代福岡藩主・黒田長政所用と伝えられる二つの大水牛脇立兜がある。「脇立」は兜本体の両脇の飾り。兜の正面についている飾りは「前立」という。兜の左右に大きな水牛の角をかたどった飾りがついているので、「大水牛脇立兜」ということになる。
また、兜本体は、鉄板を成型して作られている。兜の正面にくる鉄板のつなぎ目を隠さずに、デザインとして生かし、桃のような形に仕上げているので「桃形」兜と呼ばれる。脇立の角は、実は取り外しができるようになっていて、根元の方は木製、先端の方は和紙をはり合わせた張り子状で、それをつなぎ合わせて漆を塗り、金箔をはっている。兜の重さは3キロ以上あるので、身に着けるのもなかなか大変であったに違いない。
長政所用の兜としては、「一の谷形兜」も有名。こちらは源平合戦の「鵯越の逆落とし」のエピソードで知られる急峻な崖をかたどったデザイン。福島正則と黒田長政が仲たがいをした際、仲直りのしるしとして、正則は愛用の「一の谷」兜を、長政は同じく「大水牛」兜を贈りあったと伝えられている。
福島正則は、豊臣秀吉子飼いの武将で「賤ケ岳の七本槍」のひとり。また、「黒田節」に歌われている名鎗「日本号」(福岡市博物館蔵)を、黒田官兵衛の家臣・母里太兵衛が呑み取った際の相手でもある。 ―後編に続く―
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