江口寿史展
EGUCHI in ASIA
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福岡アジア美術館
2020/05/30 |
19日に再開した福岡市美術館(中央区大濠公園)で新収蔵品展が開かれている。6月28日まで。同館がリニューアルオープンのため休館していた2016年9月から2019年3月の間に収蔵した近現代美術作品から29点を展示している。
今回は、オチオサムや宮崎準之助など1950~60年代に福岡を拠点に活躍した前衛美術集団「九州派」の作家たちの作品や、英国で今も活躍するリサ・ミルロイの作品などが並ぶ。
展示室の中央に展示されているのは、九州派唯一の彫刻家である宮崎準之助の「腕木のない馬車」。木の球状作品が多かった宮崎の本作品は、さらに作風を深化させ、丸みやあたたかさをたたえた作品になっている。同じ九州派の1人、田部光子からの寄贈で、九州派の作家同士の交流が盛んだったことが垣間見えて興味深い。
英国で活躍するリサ・ミルロイはカナダ出身の画家で、何度か福岡も訪れている。陶器や靴、電球など身の回りにある日常品を、光の明暗を利用して繊細な表情まで描き出す画風で知られる。今回展示されている油彩画「黒」は4着のワンピースが白のバックに黒で浮き出るように描かれ、日常服が精微な筆致でクールに表現されている。
そのほか、九州派解散後に方向性に苦しみながら描かれたオチオサムの「スフィンクス」なども展示されている。 (岩崎さやか、松本紗菜子)=5月27日付西日本新聞朝刊に掲載=
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