
直方文化連盟 70周年記念共催事業
野見山朋子・片山博詞 ふたり展
2025/07/05(土) 〜 2025/09/07(日)
直方谷尾美術館
2020/10/29 |
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廃虚に、ゾウやバクといった動物がたたずむ。過ぎ去りし存在と、命ある生き物の対比を、ドラマチックに描いて見せる。
千葉県出身で、筑波大芸術専門学群を卒業後、関東で個展を中心に活動。「どこにいても楽園にいるように、静かに日々を送っている愛すべき存在」として、動物を題材にしてきた。
経年で朽ちた建物との組み合わせは、2015年に福岡に移住したことがきっかけだった。炭鉱の旧施設をはじめ、九州には日本の近代化、工業化に伴う遺構が多く、目にする機会が格段に増えた。物珍しさも手伝ってスケッチを重ねるうちに「廃虚に置いたら、動物の動物らしさが際立つ」と思ったのだという。
日本画らしくない絵だと言われることもあるが、動物の肌のしわを表現するために、日本画特有の技法「もみ紙」を生かしている。縦約1・6メートルの新作「ハナフル世界」のゾウは、紙をもむことでできたしわによって、薄く墨を塗っただけで色面が奥行きを持った。別の作品に描いた赤れんがの建造物は、壁面の部分に金箔(ぱく)を貼った後にやすりで削り、下地の茶色い絵の具をのぞかせた。古いだけにとどまらない廃虚の魅力を表す研究に余念がない。
作品はどれも、おとぎ話の世界のようでもあり、人間が滅び去った未来の図のようでもある。揺るがないのは、動物たちが自分のペースで、しっかりと生を営んでいることだ。
趣味はバイク。出産後、復帰したライダーとして専門誌に記事が掲載されたこともある。いつまでも自分らしくあろうとする姿勢は、自ら描く動物が手本なのかもしれない。43歳、福岡市在住。(諏訪部真)
=(10月26日付西日本新聞朝刊に掲載)=
柏木菜々子展 樂園
会期:2020年9月29日(火)~10月31日(土) 12:00~18:00
月・火曜休廊
会場:アートプロ ガラ
(福岡市中央区舞鶴1-3-31 ハイラーク舞鶴南側1F)
2025/07/05(土) 〜 2025/09/07(日)
直方谷尾美術館
2025/07/10(木) 〜 2025/09/07(日)
山口県立美術館
2025/07/15(火) 〜 2025/09/07(日)
大野城心のふるさと館
2025/07/19(土) 〜 2025/09/07(日)
長崎県美術館
2025/07/25(金) 〜 2025/09/07(日)
鹿児島市立美術館