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芸術の秋、じっくり味わいたい“ジモトアート” 地元をテーマにした展覧会を紹介!

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秋吉真由美
2022/09/24
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 ミュージアムでは、それぞれが所在する地元にゆかりのある作家や美術作品も豊富に収蔵しています。豊富なコレクションの中から“地元”をテーマにした企画展や、地元出身作家に注目した企画展をピックアップ。その場所ならではの美術作品をぜひお楽しみください。

 

人でつながる熊本の“ジモトアート”

 熊本県立美術館のコレクションの中から、熊本にゆかりのある作品にスポットを当てた企画展「美術館コレクション 再発見!ジモトアート 人でつながる熊本の美術」。

 熊本ゆかりの武将、加藤清正が京都から招いた狩野派の絵師の作品や、熊本県出身の洋画家・富田至誠、熊本の近代日本画の礎を築いた杉谷雪樵の作品などが並びます。

富田至誠 《通潤橋》 1928年 熊本県立美術館所蔵

 近世から近現代までの熊本の美術の魅力をたっぷり堪能できる展覧会となっています。

 

  • 美術館コレクション 再発見!ジモトアート 人でつながる熊本の美術
  •  
  • 会期   2022年7月15日(金) ~ 10月2日(日)
  • 会場   熊本県立美術館  本館
  • 開館時間 9時30分~17時15分 ※最終入場は閉館30分前まで
  • 休館日  月曜 ※祝日の場合は開館、翌平日休館

展覧会の公式サイトはこちら

 

 

郷土作家の個性の違いを味わう

 子どもから大人まで、見ることや知ることを気軽に“楽しむ”をテーマにしたコレクション展「たのしむ美術館2022」。

 今回は、宮崎県立美術館のコレクションの中から絵画や版画、工芸など約90点の作品が並びます。

塩月桃甫「ロボを吹く少女」

 “宮崎のびじゅつ”と題して、宮崎県出身の画家・塩月桃甫や山田新一らの作品をそろえ、作家それぞれの描き方などの個性に注目した展示も。ただ展示するのではなく、考えたり、探したり、作品に関するクイズに挑戦したり、楽しみながら鑑賞する展覧会です。

 

  • たのしむ美術館 2022
  •  
  • 会期   2022年7月24日(日) ~ 10月30日(日)
  • 会場   宮崎県立美術館
  • 開館時間 10時~18時 ※最終入場は閉館30分前まで
  • 休館日  月曜 ※祝日の場合は開館、翌平日休館

展覧会の公式サイトはこちら 

 

 

熊本県出身の若手作家に注目!

 熊本市現代美術館の開館20周年を記念した企画展「Our Attitudes」。1980年代に生まれた熊本県出身の作家に注目し、独創性が光る作品が一堂にそろいます。

 タイトルの「Attitude(=態度、姿勢)」は、20年前の開館の記念に開かれた展覧会「ATTITUDE 2002」を参照して名付けたもの。

武田竜真《The Eye of a Needle》2021
クレート、スタイロフォーム、映像
Photo: WATANABE Osamu
Courtesy: 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa
松永健志《乗ってみなはれ》2020
キャンバスに油彩

 開館当時、学生であった彼らは熊本市現代美術館という存在にどう影響を受けたのかなど、作家インタビューとともに紹介します。これからの美術館のあり方や可能性についても迫る展覧会となっています。

 

  • 熊本市現代美術館開館20周年記念 Our Attitudes
  •  
  • 会期   2022年8月28日(日) ~ 10月30日(日)
  • 会場   熊本市現代美術館
  • 開館時間 10時~20時 ※最終入場は閉館30分前まで
  • 休館日  火曜 ※祝日の場合は開館、翌平日休館

展覧会の公式サイトはこちら 

 

 

作家が見る「福岡」とは?

 作家から「福岡」という場所はどう見えている? 作家のさまざまな視点から「福岡」を描いた作品が並ぶ、福岡市美術館の「コレクション展 福岡をみる」。

松永かん山(※冠(かん)の「寸」の部分が「刂」)(1894-1965)《糸島風景》
(制昨年不詳、紙本着色・二曲一隻屏風、167.5×230.6cm)

 地図や航空写真などから、展示作品がどの場所で描かれたかなど、アートの新たな一面が楽しめる展覧会です。

 

  • コレクション展 福岡をみる
  •  
  • 会期   2022年11月1日(火) ~ 12月27日(火)
  • 会場   福岡市美術館
  • 開館時間 9時30分~17時30分 ※最終入場は閉館30分前まで
  • 休館日  月曜 ※祝日の場合は開館、翌平日休館

展覧会の公式サイトはこちら

 

 

街をアートで知る“地域美術館”

 大分ゆかりの作家の作品など5,000点超のコレクションを誇る大分県立美術館では、館外でも美術作品を楽しんでもらおうと「地域美術館」と題した出張企画を実施しています。

 今回訪れるのは、臼杵市。臼杵市歴史資料館と臼杵市観光交流プラザの2会場で、臼杵市出身の作家の作品や市内の風景を描いた作品が楽しめます。

首藤雨郊《港町風景》1937年

 

  • 地域美術館 in 臼杵市 臼杵の美術家や風土
  • ~大分県立美術館コレクションを中心に~
  •  
  • 会期   2022年10月5日(水) ~ 10月17日(月)
  • 会場   第1会場:臼杵市歴史資料館/第2会場:臼杵市観光交流プラザ
  • 開館時間 第1会場:9時30分~17時30分 ※最終入場は閉館30分前まで
  • 第2会場:9時~18時
  • 休館日  第1会場:10月11日休館
  • 第2会場:休館日なし

展覧会の公式サイトはこちら 

 

 

佐賀県出身の3巨匠の建築に迫る

 東京駅や日本銀行本店などを設計した辰野金吾、明治期に「一丁倫敦(ロンドン)」と呼ばれた丸の内オフィス街を築いた曽禰達蔵、日生劇場など昭和の名建築を設計した村野藤吾――。

 佐賀県唐津市出身の3人の建築家にスポットを当てた特別展「建築の建築―日本の「建築」を築いた唐津の3巨匠―」が佐賀県立博物館で開催されています。

村野藤吾建築模型 京都工芸繊維大学美術工芸資料館蔵
撮影:市川靖史

 貴重な建築模型や東京駅や丸の内界隈の変遷ジオラマなどの資料を展示し、建築の世界から日本の発展を支えた3人の建築作品の魅力に迫ります。

東京駅と丸の内界隈の変遷ジオラマ(2014年)
東京ステーションギャラリー蔵

 

  • 特別展「建築の建築―日本の「建築」を築いた唐津の3巨匠―」
  •  
  • 会期   2022年9月6日(火) ~ 10月27日(木)
  • 会場   佐賀県立博物館
  • 開館時間 9時30分~18時
  • 休館日  月曜 ※祝日の場合は開館、翌平日休館

展覧会の公式サイトはこちら

 

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