五感を刺激するアート　ＴＡＳＫＯ「つくる展」 北九州市科学館　全身使って鑑賞、過程に焦点も【コラム】

　イベントや広告、ミュージックビデオの美術制作など幅広く活躍する総合アートカンパニー「ＴＡＳＫＯ（タスコ）」の作品を紹介する「つくる展―ＴＡＳＫＯファクトリーのひらめきをかたちに―」（西日本新聞社など主催）が、北九州市八幡東区の市科学館スペースＬＡＢＯで開かれている。会場に並ぶのは科学や芸術、工作が一体となったちょっと不思議な、でも五感を刺激してやまない２０ほどの作品。大人も子どもも全身を使って鑑賞してほしい。

　ＴＡＳＫＯはものづくりのプロ集団。舞台制作や機械製作、デザインといった異なる専門分野の人材が集まり、誰も見たことのない、体験したことのない「新しいものづくり」を発表し続けている。

　展示は物理の法則を取り入れた「うかぶ風船」などに始まり、奥に進むにつれて来場者が作品に参加し、体感するものへと展開する。

　３枚のマットを踏むと、それぞれ音や光を発する「ル・ディスコシャンデリア」は踏むたびにリズムが変化し、ライブ会場のような雰囲気を楽しめる。「パフューマリー・オルガン」は嗅覚を刺激する珍しい作品。鍵盤を押すと音と草花などの香りが放たれる。１９世紀に考案され、さまざまな香りを音階のように並べた「香階」から着想を得た。

　アイデアを作品にする過程に焦点を当てるのも本展の特徴だ。手描きの構想図や、へんてこな道具が所狭しと並んだ棚もあり、見れば作品のおもしろさが一段と増す。　（古瀬哲裕）

＝（4月8日付西日本新聞朝刊に掲載）＝

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つくる展－ＴＡＳＫＯファクトリーのひらめきをかたちに　
北九州市八幡東区の市科学館「スペースＬＡＢＯ」で５月１４日まで開催中。西日本新聞社など主催。４月１８、２５日と５月９日は休館。中学生以上１１００円、４歳～小学生６００円。事務局＝０７０（４０３５）２６９８（平日午前９時～午後５時）。