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つくる展 TASKOひらめきをかたちに <中> 足で音と光 踏めばライブ会場に【コラム】

2023/04/07 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

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足踏みに合わせて電球の発光パターンが変わったり、シンバルの音が鳴ったりする「ル・ディスコシャンデリア」©TASKO Inc.(撮影・古瀬哲裕)

 「つくる展」の立ち上げ準備中だった2020~21年は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、日本中のあちこちの美術館で休館や展覧会の中止が相次いでいました。開会した展覧会であっても、感染予防のために手で触る作品は極力避けなければなりませんでした。

 「つくる展」も当初は触って体験する展示を目指していましたが、総合アートカンパニー「TASKO(タスコ)」と作品を再度検討することになりました。「触れられないなら、足で踏んだら良いのでは?」。TASKOの発案でした。

 ≪ル・ディスコシャンデリア≫は、最大3人で楽しめる作品です。床に置かれた三つのマットをそれぞれ踏むと「テンポ」「パターン」「シンバル」のどれかが反応します。

 「テンポ」はマットを踏む回数でどんどん早くなっていきます。「パターン」は曲のリズムが変わり、中央に設置された300個の電球がさまざまなタイミングで点滅します。「シンバル」は踏むタイミングに合わせてシンバルが鳴り、電球も合わせて全て光ります。会場はまるでライブ会場のようです。

 「足で踏む」行為は感染予防の課題をくぐり抜け、身体を使って体験できる作品に仕上がりました。コロナ禍で他者との意思疎通が取りづらいなか、光と音で楽しく他の参加者とセッションができ、コミュニケーションが図れることも大きな魅力となりました。

 山形県酒田市美術館で開催にこぎつけた「つくる展」の初日、たくさんの方が来館し、展示室がコロナ前の雰囲気に戻った時の光景は今も忘れられません。≪ル・ディスコシャンデリア≫の周りでは、300個の電球の光に負けないくらいに楽しく笑い、コロナ禍の閉塞(へいそく)感を吹き飛ばすような明るい表情を見せる来館者の姿がありました。

 「つくる展」には人を癒やしたり楽しませたりする要素がたくさん詰まっています。北九州市科学館「スペースLABO」での「つくる展」でも、皆さんの琴線に触れる作品とのすてきな出合いが待っています。ぜひ会場に足を運び、TASKOのものづくりの面白さ、楽しさを体験してください。(酒田市美術館・学芸主任 武内治子)

=(3月22日付西日本新聞朝刊に掲載)=

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つくる展-TASKOファクトリーのひらめきをかたちに 
北九州市八幡東区の市科学館「スペースLABO」で5月14日まで開催中。西日本新聞社など主催。4月11、18、25日と5月9日は休館。中学生以上1100円、4歳~小学生600円。事務局=070(4035)2698(平日午前9時~午後5時)。

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