北九州市立美術館 開館50周年記念
足立美術館所蔵 横山大観展
2024/04/06(土) 〜 2024/05/19(日)
09:30 〜 17:30
北九州市立美術館 本館
2024/04/12 |
無我とは、我欲・私心のないこと、禅でいう悟りの境地です。従来、高僧の姿で解釈されることが多かった画題ですが、本作「無我」は、まだあどけない幼子の姿に無我の境地を託したところに、横山大観の斬新な着想が光ります。
ぶかぶかの﨟纈(ろうけち)(ろう染め)の衣服と大きな草履が童子の幼さを際立たせ、菫(すみれ)が咲き猫柳が芽吹く早春の景色との取り合わせも絶妙です。着衣や猫柳の描線は力がありながら伸びやか。一方、頭の高い位置で結われた幼子の頭髪は、毛描きという伝統技法が用いられ、繊細にして緻密。実に完成度の高い一作です。
本作は、大観が母校である東京美術学校の助教授となった翌年に制作された出世作としても知られます。大観は同時期に3点の「無我」を描いており、そのうちの1点(東京国立博物館所蔵)は、日本絵画協会第2回絵画共進会で銅牌二席を得ました。本作には「大観」の署名に本名の「秀麿」の印が用いられており、3点のうち最初に描かれたものと考えられます。
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北九州市戸畑区の市立美術館本館で「足立美術館所蔵 横山大観展」が5月19日まで開催中。北九州市立美術館の山下理恵学芸員がお薦めの展示品を紹介する。
=(4月12日付西日本新聞朝刊に掲載)=
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