小磯良平展ー幻の名作《日本髪の娘》
2026/04/18(土) 〜 2026/06/21(日)
09:30 〜 17:30
福岡市美術館
| 2026/05/12 |
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紺の着物に白い手ぬぐい、赤いたすき姿の女性が椅子に腰かけています。京都の大原から洛中へ燃料となる薪や柴を運ぶ「大原女」の姿です。中世以来重要な役割を担っていた大原女は、近代化とともに姿を消しつつありました。
本作は1950年代以降、画家のアトリエでモデルに装束を着せて描いたものです。当時、小磯は京都を頻繁に訪ね、華やかな舞妓(まいこ)姿の女性を描く一方、大原女にも創作意欲を刺激されたといいます。着物や籠は大胆に省略した造形で描かれ、生き生きした印象です。
ここで思い出したいのが、畑仕事や建設業などにいそしむ人々の姿を、小磯がまるで神話の一場面のように描いていたことです。戦後復興期に「労働」を描くことで、人間の本質をつかもうとしたのです。「大原女」も、この関心と地続きなのではないでしょうか。
女性の精悍(せいかん)な顔つき、引き締まった肉体には、小磯が追求した普遍的な美が見て取れます。
(福岡市美術館学芸員・忠あゆみ)
▼「特別展 小磯良平展―幻の名作≪日本髪の娘≫」 6月21日まで、福岡市中央区大濠公園の市美術館。一般1700円、高大生1100円、中学生以下無料。月曜休館。
=(5月8日付西日本新聞朝刊に掲載)=
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