久留米市美術館開館10周年記念展
美の新地平―石橋財団アーティゾン美術館のいま
2026/02/14(土) 〜 2026/05/24(日)
10:00 〜 17:00
久留米市美術館
| 2026/05/04 |
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久留米市美術館の開館10周年を記念して、石橋財団アーティゾン美術館の新収蔵品を中心とした、「美の新地平 石橋財団アーティゾン美術館のいま」を開催中です。
印象派や日本近代洋画など、ブリヂストン美術館の伝統を引き継ぎながら、現代美術や女性作家、日本近世美術の収集にも力を注ぎ、コレクションの幅を広げ続けているアーティゾン美術館。
時代と国境を超えたアーティゾン美術館の「いま」を伝える名品約80点をご紹介します。
本連載では、久留米市美術館の森智志学芸員から、3回にわたって見どころを紹介していただきます。
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藤島武二《黒扇》《東洋振り》
3,000点におよぶ石橋財団コレクションの礎を築いたのは、株式会社ブリヂストンの創業者である石橋正二郎です。正二郎が美術品の収集を本格的に始めたのは1930年代のこと。高等小学校時代に図画を教わった坂本繁二郎との再会がきっかけとなりました。
夭折した同郷の画家・青木繁の作品が散逸することを惜しんだ坂本は、正二郎に青木の作品を集めて小さくてもいいから美術館をつくって欲しいと語ったといいます。その後、正二郎は、青木繁をはじめ、日本近代洋画の作品を次々に収集していきました。
そして、青木・坂本とならんで石橋財団コレクションの柱となっているのが藤島武二です。藤島との出会いは1938年、日本橋三越で開催された個展で《浪(大洗)》に魅了されたことでした。正二郎は人を介して作品を入手し、それを機に藤島宅を月に一度は訪れるようになったといい、次第に深い信頼関係を築いていきました。その交流の結果、藤島が最晩年まで手元に置いていた《黒扇》を含む、滞欧期の作品群がコレクションに加わることとなりました。
1905年から4年間のヨーロッパ留学のうち、後半の2年をローマで過ごした藤島は、現地のイタリア人をモデルに《黒扇》を描きました。こちらを真っ直ぐ見つめる青色の瞳と、頬の陰影に使用された鮮やかな水色が印象的です。鼻筋や顎にしっかりとした輪郭線を引いて丁寧に仕上げられた顔と、対照的にスピード感のある筆致で大胆に描かれたベールや扇という、表現の対比が特徴です。
一方、近年新たに収集された《東洋振り》は、藤島の中期を代表する作品の一つです。藤島はヨーロッパ留学から帰国後、大陸視察などを経て東洋的な主題に関心を寄せ、1915年頃から中国服の女性像を多く手掛けました。《東洋振り》は、このシリーズで初めて横顔の構図に挑んだ作品です。鮮やかな青を基調に大輪の花が描かれた衣服は力強い筆致で表現されていますが、顔や手などの肌の部分は筆跡を残さず滑らかに仕上げられています。
森智志(久留米市美術館)
※その2に続きます
※掲載作品はすべて石橋財団アーティゾン美術館蔵
[展覧会情報] ーーーーーーーーー
久留米市美術館開館10周年記念展
美の新地平―石橋財団アーティゾン美術館のいま
【日 程】2026/02/14(土) 〜 2026/05/24(日)
【時 間】10:00 〜 17:00 (入館は16:30まで)
【休館日】月曜休館(2月23日・5月4日は開館)
【会 場】久留米市美術館
【料 金】一般1,500円(1300円)、シニア1,200円(1,000円)、
大学生以下無料 ※( )内は15名以上の団体料金
【主 催】久留米市美術館、西日本新聞社、読売新聞社、TVQ九州放送
【H P】https://www.ishibashi-bunka.jp/kcam/
【問合せ】TEL 0942-39-1131(久留米市美術館)
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