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【学芸員コラム】美の名所を辿る旅 「日本の名所絵」 出光美術館(門司)

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アルトネ編集部
2026/05/25
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6月21日(日)まで出光美術館(門司)で開催中の「日本の名所絵」。
名所はその時々に新たなものが誕生し、たえず人々を引きつけてやまない。こうした「名所」を描いた作品を出光コレクションより紹介している。
本展の見どころを立畠敦子・主任学芸員に寄稿いただいた。

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画面いっぱいに描かれた富士山。その裾野には馬に乗る貴公子とおつきの人が描かれます。
この屏風に描かれているのは、『伊勢物語』(平安時代成立)「東下り」で都を離れ東国に向かう道中、主人公の「ある男」が富士山を見あげ、山頂に雪が残る姿を「時知らぬ山は富士の嶺(ね)いつとてか鹿の子まだらに雪の降るらむ」と詠む場面です。初夏にもなるのに、富士の山には未だまばらに雪が積もっていると詠む男は、平安時代の六歌仙の一人と言われる歌人在原業平と言われています。山頂に雪を残す富士の姿は、和歌や物語そして、絵画で繰り返し表され、富士山の典型的な姿として多くの人びとに共有されました。ある男も、現代の私たちも、富士山といえば、白い山頂の富士を思い浮かべ、期待するのはそういうわけなのです。
日本一高い富士山は名所としてもその知名度は日本一といえるでしょう。描いたのは俵屋宗雪。宗達の後継者とも言われています。琳派風の墨技である「たらしこみ」で富士山を描き、また必要なモチーフ以外を省略したスッキリした構図が見事です。

伊勢物語 富士山図屏風  俵屋宗雪 江戸時代(17世紀) 出光美術館蔵

(出光美術館(門司)主任学芸員 立畠敦子)

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■展覧会概要
【日 程】2026/4/18(土)~2026/6/21(日)
【時 間】10:00~17:00(最終入場は閉館の30分前まで) ※前期展示:4/18~5/17/後期展示:5/22~6/21
【休館日】毎週月曜日
【会 場】出光美術館(門司)
     北九州市門司区東港町2-3
【料 金】一般700円/高・大生500円(団体10名以上、各200円引き)
【主 催】出光佐三記念美術館、出光美術館、西日本新聞社
【H   P】http://s-idemitsu-mm.or.jp/
【問合先】出光美術館(門司) TEL 093-332-0251

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