九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

HOME ›  FEATURE ›  コラム ›  【ARTNEコラム|Social】福岡でアート活動をする意味~アートスペースFUCAの運営を通して~

【ARTNEコラム|Social】福岡でアート活動をする意味~アートスペースFUCAの運営を通して~

Thumb micro 6e69b4f50a
アルトネ編集部
2017/06/16
LINE はてなブックマーク facebook Twitter

ARTNE(アルトネ)では、九州・山口各地に目を向け、アート関連の読み物を届ける。そのコーナーのひとつ【Social】は、アートと社会、その交差点でどんなことが起こっているのか考えるコラム。今回寄稿いただいたのは不動産メディア「福岡R不動産」を運営する株式会社DMX所属の坂田賢治氏。福岡のアート界隈に新しい風を吹き込んだアートスペースFUCAの活動を振り返ってもらった。(編集部)

第1回目の展覧会「FUCA Exhibition vol.01」(2012年9月22日~10月5日)の様子

2012年4月に平尾にある400平米の倉庫を改装して生まれたFUCA(Fukuoka Urban Community of Art)。オーナーとの約束で5年間限定の活用だったため、惜しまれながらも2017年3月で一旦閉じることになった。

FUCAは、福岡をよりクリエイティブな都市にすることを目的に設立した。主な活動は2つ。1つは、毎年4組のアーティストを募集し、1年間アトリエを月1万円で提供すること。もう1つは100平米のイベントスペースの運営だ。そもそも始まりは若手作家の制作場所が福岡に不足していることを知ったのがきっかけだった。

アトリエ内の様子

当初、アートの専門家ではない私が運営する上で意識していたことが、あえて福岡でアート活動をする意味。何か特別な意味を持たせないといけないという強迫観念のようなものがあった。なぜなら、アートシーンは欧米中心で動いており、特にニューヨークなどの中心地で活動する方が、人脈を築けるなどアーティストにとって有利だからだ。国内なら福岡より東京の方が、チャンスがある。

しかし、5年間FUCAを運営して感じたのは、王道なアートを意識しすぎてもよくないかなということ。アートシーンの動向を追うことはもちろん大切だが、それだけがアートではない。福岡のような地方都市では、もっと範囲を広げてクリエイティブ全般を対象にした方が面白い。

入居した作家による制作の様子

実際にFUCAに入居した作家たちの中には美大に行っていない人も多かった。ジャンルも王道な絵画や彫刻、インスタレーションから演劇にダンス、音楽、デザイン、写真、文学、ファッション、料理、植物と様々。イベントスペースでも多種多様なものが行われ、そんなごちゃ混ぜな場所だったからか、お互いが刺激を受け、1年の間に作風が変わる作家も多かった。

コンパクトな都市である福岡は、様々なジャンルの人が身近にいる。だからこそ、アートに限らず様々なクリエイティブが混じり合いながら、新たなものを生み出していくことができる。FUCAという場所は無くなったが、そんな面白い都市に福岡がなれるよう今後もいろいろと模索していきたい。

 

坂田 賢治(さかた・けんじ)
独自の視点で物件を紹介する不動産メディア「福岡R不動産」を運営する株式会社DMX所属。2012年より、右も左も分からない素人同然でディレクターとして、FUCAの立ち上げ、運営を行う。学生時代は京都と大阪で建築の意匠設計と創造都市論を学び、 27歳で就職を機に地元福岡にUターン。

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini bdbea6d37a
終了間近

ジブリの大博覧会
~ナウシカからマーニーまで~

2017/04/15(土) 〜 2017/06/25(日)
長崎歴史文化博物館

Thumb mini 4b341d9d31
終了しました

所蔵品展 No.136
巴里 憧れのフランスと魅惑の日本

2017/04/26(水) 〜 2017/06/25(日)
下関市立美術館

Thumb mini 2acfebe314
終了しました

―色絵磁器の最高峰―
今右衛門の色鍋島

2017/04/29(土) 〜 2017/06/25(日)
山口県立萩美術館・浦上記念館

Thumb mini a7384c5e95
終了しました

九州大学ソーシャルアートラボ公開講座《第1回》
ソーシャリ―・エンゲイジド・アートについての議論

2017/06/25(日)
旧大名小学校内 福岡市スタートアップカフェ イベントスペース内

Thumb mini f1de8bdc4f
終了間近

光をつかまえて

2017/03/23(木) 〜 2017/06/27(火)
福岡アジア美術館

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini 289924dd4a
コラム

【学芸員コラム】美術館で演劇×アート!?3mのヤノベケンジ作品が舞台美術に!

Thumb mini 92af38473d
コラム

【ゲストコラム】美術ライターの橋本麻里さんが語る《ラスコー展》の魅力

Thumb mini 0a278f02db
コラム

【ARTNEコラム|Book】坂口恭平ドローイング作品集「God is Paper」

Thumb mini f3190f0d21
コラム

【ARTNEレコメンド】 GWはアート三昧!  福岡アート横断指南(後編)

Thumb mini f46e547b3a
コラム

【学芸員コラム】久留米市美術館の川端康成展(後編)画家が小説に?

特集記事をもっと見る