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福岡アジア美術館
アルトネ編集部 2017/06/16 |
ARTNE(アルトネ)では、九州・山口各地に目を向け、アート関連の読み物を届ける。そのコーナーのひとつ【Social】は、アートと社会、その交差点でどんなことが起こっているのか考えるコラム。今回寄稿いただいたのは不動産メディア「福岡R不動産」を運営する株式会社DMX所属の坂田賢治氏。福岡のアート界隈に新しい風を吹き込んだアートスペースFUCAの活動を振り返ってもらった。(編集部)
2012年4月に平尾にある400平米の倉庫を改装して生まれたFUCA(Fukuoka Urban Community of Art)。オーナーとの約束で5年間限定の活用だったため、惜しまれながらも2017年3月で一旦閉じることになった。
FUCAは、福岡をよりクリエイティブな都市にすることを目的に設立した。主な活動は2つ。1つは、毎年4組のアーティストを募集し、1年間アトリエを月1万円で提供すること。もう1つは100平米のイベントスペースの運営だ。そもそも始まりは若手作家の制作場所が福岡に不足していることを知ったのがきっかけだった。
当初、アートの専門家ではない私が運営する上で意識していたことが、あえて福岡でアート活動をする意味。何か特別な意味を持たせないといけないという強迫観念のようなものがあった。なぜなら、アートシーンは欧米中心で動いており、特にニューヨークなどの中心地で活動する方が、人脈を築けるなどアーティストにとって有利だからだ。国内なら福岡より東京の方が、チャンスがある。
しかし、5年間FUCAを運営して感じたのは、王道なアートを意識しすぎてもよくないかなということ。アートシーンの動向を追うことはもちろん大切だが、それだけがアートではない。福岡のような地方都市では、もっと範囲を広げてクリエイティブ全般を対象にした方が面白い。
実際にFUCAに入居した作家たちの中には美大に行っていない人も多かった。ジャンルも王道な絵画や彫刻、インスタレーションから演劇にダンス、音楽、デザイン、写真、文学、ファッション、料理、植物と様々。イベントスペースでも多種多様なものが行われ、そんなごちゃ混ぜな場所だったからか、お互いが刺激を受け、1年の間に作風が変わる作家も多かった。
コンパクトな都市である福岡は、様々なジャンルの人が身近にいる。だからこそ、アートに限らず様々なクリエイティブが混じり合いながら、新たなものを生み出していくことができる。FUCAという場所は無くなったが、そんな面白い都市に福岡がなれるよう今後もいろいろと模索していきたい。
坂田 賢治(さかた・けんじ)
独自の視点で物件を紹介する不動産メディア「福岡R不動産」を運営する株式会社DMX所属。2012年より、右も左も分からない素人同然でディレクターとして、FUCAの立ち上げ、運営を行う。学生時代は京都と大阪で建築の意匠設計と創造都市論を学び、 27歳で就職を機に地元福岡にUターン。
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