はこのふね

　鳥の絵や本の挿絵画家として、数々の魅力的な鳥の絵を描いているユカワアツコさん。古い木板に描かれた鳥たちの羽ばたきや、さえずりが今にも聞こえてきそうな作品には数多くのファンがいます。

　実はユカワさんは「ハチ」という猫を飼っていて、大変な猫好きでもあります。今回はその鳥の楽園に特別に「猫」の仲間入りをお願いし、古い引き出しに描かれた鳥と猫でインスタレーションを行います。鳥と鳥以外のものを並べる展覧会はユカワさんにとってこれが初めての試みです。

　いろんないきものが乗り込んだ「はこぶね」のような吾輩堂丸が、しずかに初夏の海に漕ぎ出していきます。

　会期中は作品展示・販売および関連書籍、グッズの販売を行います。

ユカワアツコ

作家HP https://calico29.wixsite.com/yukawa-atsuko

宮崎県生まれ、東京在住。2009年、鳥の小物などを制作・販売する「トリル」をはじめる。梨木香歩『冬虫夏草』、松家仁之編『美しい子ども』（ともに新潮社）ほか、装丁画も手がける。
現在、福音館書店刊『母の友』の巻頭連載『草木鳥鳥文様』（エッセイ／梨木香歩、写真／長島有里枝）のための写真モチーフとして、「引出しの中の鳥」の制作を担当。