九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

ARTNE ›  EVENT ›  生誕90年 大嵩禮造抽象画の歩み

生誕90年 大嵩禮造抽象画の歩み

ー白・青色の諧調の変化と堅固な画面構成ー

日程  2025/01/04(土) 〜 2025/03/23(日)
会場 児玉美術館
LINE はてなブックマーク facebook Twitter
サーシャの想い 1992
200号 油彩・キャンバス

 今年は、2003年1月7日に、68歳で急逝した洋画家、大嵩禮造の生誕90年にあたります。 大嵩禮造と児玉美術館の関わりは深く、創設当時から館の運営や美術品の選定などに関して、多くの助言をいただきました。その作品群は同美術館収蔵品の中核となっています。

 大嵩と初代館長児玉利武の出逢いは1972年。鹿児島県美術展の会場でした。その頃、大嵩の絵は「グラスボックス・シリーズ」の真っ只中にあり、その幾何学的抽象画の鮮やかな色彩と造形の鋭さにすっかり魅せられた児玉利武は、大嵩の作品の収集を決心します。 大嵩の絵画は大きく4つに分けられます。20代に渡欧、その前後に描かれた「碑」のシリーズは、海老原喜之助が激賞した作品群であり、「白」にこだわり、乾いた世界を追求した、大嵩の原点とも言える抽象画です。30〜40歳代に描いた「グラスボックス・シリーズ」は、ガラスの持つ無機質さと冷たさを表現し、堅固に画面構成されたハードエッジな抽象画で、透明感のある白色と引き込まれるような青色の階調が美しい。大嵩は、抽象画を描く一方で、優れた具象画も多数残しました。

 家族のあたたかい絆、その何気ない日常を描くことで緊張感を解きほぐそうと試みた具象画「ポートレートシリーズ」。「回帰シリーズ」は50歳代から絶筆まで、絵の原点に立ち返るべく堅固に構成された画面に、ナイフを使って透明感のある強烈な白と青色を厚く塗り、さらにそれを削げるところまでそぎ落とし、人間の心の中まで描こうとした半具象・半抽象画です。 

 「初期から晩年まで作家の全てを収集してこそ、そのコレクションは完結する。そして優れた作家の作品は初めから終わりまでどの時代をとっても素晴らしいのです」と児玉館長は常々申しておりました。児玉利武が生涯を通して魅了された大嵩禮造の世界をお楽しみください。

他の展覧会・イベントを見る

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini 0f14a10944
終了間近

不知火美術館2025年 春の企画展
海にねむる龍 ―働正がのこしたもの

2025/04/10(木) 〜 2025/06/10(火)
宇城市不知火美術館

Thumb mini c8743df69d

「手塚治虫 ブラック・ジャック展」福岡会場

2025/04/26(土) 〜 2025/06/22(日)
福岡アジア美術館

Thumb mini ffa9f12d05

六本松藝術研究会 第2回 <1990年代の『ミュージアム・シティ・天神』」と福岡アートヒストリー/城内編>

2025/06/14(土)
Artist Cafe Fukuoka スタジオ2

Thumb mini 57b923416b
終了間近

アニメ「鬼滅の刃」全集中展 -刀鍛冶の里編・柱稽古編-

2025/05/17(土) 〜 2025/06/10(火)
ライカ南国ホール

Thumb mini 95c2a4262a
終了間近

春季特別展「映画『もののけ姫』から学ぶ考古学」

2025/04/26(土) 〜 2025/06/15(日)
大野城心のふるさと館 3階 企画展示室

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini 022c18dd77
レポート

ディズニー国内最大級のショッピング・イベント『Disney THE MARKET 2025 in 福岡三越』6月5日開幕

Thumb mini 6ad82a4072
ニュース

6/5(木)より「Disney THE MARKET 2025 in 福岡三越」開催【NEWS】

Thumb mini 278341b836
コラム

ポップ・アート界 綺羅星の競演―時代、カルチャーを表象するイメージの数々がずらり。リキテンスタイン、ウォーホル、ラウシェンバーグ、ジョーンズetc. (@北九州市立美術館)

Thumb mini 44aecbf629
ニュース

多様な「ヒト・モノ・コト」の出会いを通じた新しい体験型イベント「ONE FUKUOKA FES 」5/30-6/1開催!

Thumb mini 5adf4b43fc
レポート

空前絶後の「ブラック・ジャック展」ならではの商品展開。珠玉のアートブック、雑貨、アパレル‥‥‥シビれるグッズがぞくぞく

今週の人気記事

WEEKLY RANKING
特集記事をもっと見る