ロシア科学アカデミー図書館所蔵　川原慶賀の植物図譜

長崎の絵師・川原慶賀（1786？-1860？）は、オランダ商館員の求めに応じて、日本の様々な文物を描いた。とりわけ深い交流をもったのが、ドイツ人の医師で博物学者だったシーボルト（1796-1866）だ。植物学に対する強い関心を持つシーボルトの要求に応え、慶賀は様々な写生図を描いていった。慶賀や他の絵師による約1,000点の植物図譜はシーボルトの死後ロシアに渡り、現在ロシア科学アカデミー図書館に収められている。

長崎歴史文化博物館で開催される「ロシア科学アカデミー図書館所蔵 川原慶賀の植物図譜」では、ロシアに残る川原慶賀の植物図譜125点を紹介するとともに、国内に所蔵されている慶賀の関係資料を展示し、慶賀の眼が何を見つめ、それをどのようにうつしとっていたのかを辿る。

また、近年の調査により、シーボルトが葛飾北斎作品と考えていた泥絵を日本初公開する。