江口寿史展
EGUCHI in ASIA
2024/11/09(土) 〜 2025/01/12(日)
09:30 〜 18:00
福岡アジア美術館
アルトネ編集部 2024/11/15 |
1977年に漫画家としてデビュー、現在はイラストレーションの分野で活躍する江口寿史氏のコミック原画からイラストレーションまで紹介する大規模な展覧会が、福岡アジア美術館で11月9日、開幕しました。
昭和、平成、令和を通じ、世代やジェンダー、国境や言語も越えて、広く共感を集める江口氏の作品の数々。カラフルで多面的な江口寿史氏の創作活動を紹介する展覧会、その会場風景をほんの少し紹介します。
江口寿史氏といえば、なんといっても魅力的な女性のイラストレーション。会場の冒頭から、展覧会ならではの空間を活かした「彼女」たちが並びます。
大きなキャンバスに描かれたイラストレーションを目の当たりにし、その美しい色彩や繊細な描線、計算された構図、細部までこだわり抜いたディテールの魅力に圧倒される方も多いのではないでしょうか。江口寿史の「絵」の魅力は、描かれた女の子がキュートなだけではなかったという事に改めて気づかされます。
会場では、「80’s - 90’s」「a girl with wine」「a girl in the scape」「music and fashion」などのカテゴリー毎に、とっておきのシーンのイラストがずらりと並んでいます。その展示総数は約500点!
一つひとつのイラストレーションに込められた時代のモードや街の表情。決して自分が経験した風景ではないのに、それぞれの記憶や想いをくすぐるシーンに出会う不思議。
江口氏の漫画やイラストレーションを通して、音楽やファッション等のカルチャーに影響を受けたという人も多いのではないでしょうか。
展示室には、これまでに江口氏が手がけたミュージシャンやメーカーとのコラボレーション作品も並びます。
不条理ギャグの野球漫画『すすめ‼ パイレーツ』の扉絵の原稿には、「YMO」「クラフトワーク」「シーナ&ロケッツ」等、江口氏が当時聴いていたミュージシャンやバンド名が。当時は決してお洒落とはいえなかった少年漫画を通じて、最先端のカルチャーシーンが少年少女に伝わりました。江口氏が好きなもの、笑えるもの、憧れるものすべてが、当時のカルチャーシーンに影響を与えていた様子をうかがい知ることができます。
展覧会後半では、「現在」を伝える女の子のイラストが並びます。
何気ない一瞬をとらえたポージング、それぞれの個性やファッションのテイストが表現されたイラストは、まさに「現代版の浮世絵」のよう。
会場では「こんな洋服の組み合わせ、可愛いんじゃない?」と語らうカップルの姿も。それぞれのモデルの魅力や個性を抽出して、「変化し続ける『現在』を追いかけながらも、いつまでも変わることのない普遍的な」美のスタイルを、私たちにプレゼンテーションしてくれているみたいです。
九州初となる江口寿史氏の大規模な展覧会です。青春時代に漫画に夢中になった人も、イラストを見たことがあるといった人も、改めて、江口寿史さんの創作の凄みと楽しさに出会っていただける内容です。
会期中は、ライブスケッチ、サイン会などのイベントも盛り沢山です。ぜひ会場で江口寿史さんの世界を堪能してもらいたいです!(会期:2025年1月12日まで)。
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