挂甲の武人 国宝指定50周年記念/九州国立博物館開館20周年記念/放送100年/朝日新聞西部本社発刊90周年記念
特別展「はにわ」
2025/01/21(火) 〜 2025/05/11(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
アルトネ編集部 2025/01/23 |
素朴なかわいらしさ満載の人物埴輪や動物埴輪、精巧な武具や家形埴輪まで、東北から九州まで全国各地から選りすぐりの約120件が一堂に会する展覧会が、九州国立博物館で1月21日開幕しました(5月11日まで)。
これほどの規模のはにわ展が日本国内で開催されるのは半世紀ぶりという本企画、展示会場をほんの少しレポートします。
入口でまずお迎えしてくれるのが、独特の表情で、東京国立博物館のマスコットキャラクターにもなっているという人気作《埴輪 踊る人々》。 長らく輸送に耐えられない状態であった本作ですが、この度、クラウドファンディングによる修理を経て初めての九州お披露目です。
そもそも埴輪ってどんなもの?
埴輪とは、王の墓である古墳に立て並べられた素焼きの造形のこと。その始まりは今から1750 年ほど前にさかのぼり、古墳時代の350年間、時期や地域毎に個性豊かな埴輪がつくられたそうです。
会場では、古墳時代のトップ水準でつくられた埴輪を、時期や地域毎にその変遷を見てゆくことができます。
多様なモチーフ、表情もいろいろ
埴輪尽くしの本展、何より私たちの目を驚かせてくれるのは、そのモチーフと造形の多彩さではないでしょうか。一口に「はにわ」と言っても、そのかたちや魅力は様々。家、船、人物や動物等々‥‥精巧なものから、素朴な愛らしさを感じさせるものまでが一堂に揃っています。
大注目! 国宝「埴輪 挂甲の武人」と兄弟埴輪
そして、本展の目玉は、埴輪としてはじめて国宝に指定され、教科書でもおなじみの国宝〈埴輪 挂甲の武人〉(東京国立博物館所蔵)と、その兄弟埴輪4体が勢ぞろいするということ。
埴輪の最高美とも称される国宝〈埴輪 挂甲の武人〉と、同じ工房で作られたと推測される程に類似した埴輪たちが、国内から3体が集い、1体はアメリカ・シアトルから里帰りするというめったにない機会となります。ぜひ会場でそれぞれの特徴や違いを見比べてみてください。
古墳に埴輪が設置された当時は、単独ではなく、複数の埴輪を組み合わせて、「埴輪劇場」とも呼ぶべき景色だったそうです。展示では、それぞれの埴輪の特徴やその役割も紹介されていました。
様々な「埴輪」を見ていくことで、古の王をとりまく人々や当時の生活に思いを馳せることのできる展覧会です。国宝、重要文化財を含む「はにわ」の決定版ともいえる内容ですので、お気に入りの埴輪との出会いを楽しみに、会場に足を向けてもらえるとうれしいです。
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