挂甲の武人 国宝指定50周年記念/九州国立博物館開館20周年記念/NHK放送100年/朝日新聞西部本社発刊90周年記念
特別展「はにわ」
2025/01/21(火) 〜 2025/05/11(日)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
アルトネ編集部 2024/12/27 |
九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂)が、令和7年(2025年)に開館20周年を迎える。
20周年を迎えるにあたり、3階「特別展示室」を、最新のLED設備に改修し、展示作品の美しさがこれまでにも増してお客様に伝わるようになった。また太宰府天満宮側のアクセストンネルに設置していた「斜行リフト」から、新たに「斜行エレベーター」を設置。令和7年1月1日から運行を開始する。何やらこのエレベーター、斜めに移動するエレベーターとしては、日本で最長レベルであり、車いすやベビーカーを利用される方なども、より快適に移動できるとのこと。
年の瀬・12月26日に開催された内覧会に早速潜入ダ!
内覧会では、はじめに九州国立博物館の富田淳館長がごあいさつ。
25年4月から九州国立博物館は20周年のアニバーサリーイヤーを迎えるが、それに先立ち、1月21日から特別展「はにわ」を開催。新たな特別展示室のもとで貴重なはにわが展示される。また元旦からは大宰府天満宮からのアクセスポイントに設けられる斜行エレベーターが早速稼働することを述べられた。
早速、新装となった九州国立博物館の特別展示室を見学。案内いただくのは小泉惠英副館長。
小泉副館長もめったに見ることがないという、何も展示されていない特別展示室。広大である。
とはいえ、何が変わったのか…?いまひとつよくわからず。
小泉 「何が変わったのかを分かりやすくするために、実際に作品を展示しました」
展示されているのは…
●国宝「刀 無銘 則房」
一文字派のなかで、とりわけ華麗な刃文で知られる刀工の一人が則房。 無銘だが、その華やかな作風から則房と極められた。 九博へやって来た4件目の国宝。
●「唐船南蛮船図屏風」 狩野孝信筆 江戸時代・17 世紀 九州国立博物館
日本と中国の港町を組み合わせた珍しい図柄の屏風絵。 上質な絵具で精緻に描かれた、南蛮屏風の最高傑作の一つ。
なんという贅沢!
国宝を使った照明の見え方の説明とは。内心「眼福、眼福」と唱えながら、展示を見学。
まずは「唐船南蛮船図屏風」の展示。写真ではうまく伝えきれていないかもしれないが、全体的に作品の細部が良く見える。なぜかな?
小泉「もともと九州国立博物館の天井高は5.5メートルあり、均一に光を当てるのは非常に難しかったのですが、今回の照明設備をこれまで使用していた蛍光灯とハロゲンランプから最新のLED設備に改修したことで、全体に均一に光が回るようになりました」
確かに、屏風の上部から下部まで、細部の人物や建築物が細部までよく見える。
また、左右の屏風、よく見ると光り方や色合いが少しだけ違うような…。
小泉「普通はこんなことはしないのですが、屏風の左側と右側で、色温度を少しだけ変更して当てています。また右側面は少しだけ下部に光を強めに調光しています」
なるほどー。確かに左側面はちょっとだけ赤味がかっているのと、右側面は金色の箔部分が目立つように思う。ほんの少しだけど表情が変わる、そんな繊細な違いを感じる(写真でこのニュアンス、伝わっていますでしょうか)。
今回の改修で、これまではできなかった非常にきめ細かい、微妙な色調整が可能になった。より深く作品を知ることができるようになったという。
次は国宝「刀 無銘 則房」の展示。刀剣マニア垂涎の一振り。
小泉「刀も刀文がより美しく見えるように照明を整えています。工芸品としての刀の魅力を引き出すことができるようになりました」
う、美しい。日本の工芸技術の粋を集めた刀の魅力を引き出されている。
その他、会場には来月からはじまる特別展「はにわ」に関連し、『イノシシはにわ』が展示。
小泉「『イノシシはにわ』の愛らしさを引き出すように、調光も顔色を引き立てる色合いに調整しました。顔色が青白く見えると、イノシシが可哀そうでしょう?」。
確かにかわいい。生き生きとした作品の表情を引き出すのも、照明次第と強く納得。特別展「はにわ」が待ち遠しくなった。
今回の改修で色温度の調整が2700ケルビンから5000ケルビンまで範囲が広がり、赤い光から青い光までニュアンスを変更できるようになり、より作品の魅力を引き出せるようになった。
「会場に来られるお客様が作品に集中できるように、楽しんでもらえるように準備しました。あくまでも主役は作品。ぜひ九州国立博物館で作品を見て楽しんでいただきたいです」との小泉副館長からのお言葉。
スマホやパソコンの画面越しでは、この感じを伝えるのは難しい。ぜひリニューアルされた九州国立博物館でご自分の眼でご確認を。
続いては新設された斜行エレベーター前に移動。
ご説明いただいた山田信吾副館長によると、太宰府天満宮側アクセストンネルに設置していた「斜行リフト」は、耐用年数が経過したことから、新たに「斜行エレベーター」を設置。令和7年の元旦から運行を開始する。
山田「この斜行エレベーターは、斜めに移動するエレベーターとしては、日本で最長レベルであり、車いすやベビーカーを利用される方なども、より快適に移動できるようになりました」
車いすやベビーカーの移動を目的に設置されていた斜行リフトは、これまで警備員でないと操作できず、また移動に3分程度かかっていたそう。それが自分でボタンが押せて、1分程度に短縮される。お年寄りやお子様連れには朗報である!
日本最長の斜行エレベーターに誰よりも早く乗ってみたい!ということで、約1分間のショートトリップを体験。
九博名物の長~いエスカレーターと並走する、この斜行エレベーターはとってもスムーズ&快適。移動中はこれまで開催された歴代展覧会のポスターも楽しめる。
より優しく、快適に鑑賞できるようになった九州国立博物館。元旦から開館するので、2025年初詣は、太宰府天満宮&九州国立博物館まで!
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