九州、山口エリアの展覧会情報&
アートカルチャーWEBマガジン

HOME ›  FEATURE ›  レポート ›  福岡市美術館の仮囲いに、絵本作家・荒井良二さんと子どもたちが描いた壁画が誕生!【レポート】

福岡市美術館の仮囲いに、絵本作家・荒井良二さんと子どもたちが描いた壁画が誕生!【レポート】

Thumb micro 31eaf72867
伊勢田美保
2017/11/14
LINE はてなブックマーク facebook Twitter

大濠公園に面した「福岡市美術館」が、昨年9月から休館中なのは、みなさんご存知でしょうか?2019年3月(予定)のリニューアルオープンに向けて、今着々と工事が進んでいます。その周囲を取り囲む「仮囲い」に先日、新たなアートが誕生しました。これは、福岡市美術館の開館記念日である11月3日(文化の日)に、公募で集まった子どもたちと絵本作家・荒井良二さんにより描かれたものです。

誕生した壁画がこちら!

荒井さんは、2005年に日本人として初めて、子どもの絵本の国際的な賞である「アストリッド・リンドグレーン記念文学賞」を受賞するなど、まさに日本を代表する絵本作家の一人。『たいようオルガン』、『あさになったら まどをあけますよ』などに代表される絵本のほか、NHK連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストも担当されており、一度は目にしたことのある方も多いかもしれません。大人の常識に縛られず、日々の暮らしを子ども目線で見て描き出した画風やストーリーに、親子ともにファンの多い人気作家です。

その荒井さんと絵が描けるなんて!と、ワークショップには募集枠の3倍以上の子どもたちが応募。当日は、小学校3年生〜中学3年生の30人が、秋晴れの空の下に集まりました。今回はその模様をお届けしたいと思います♪

爽やかな午前中のお庭で、真っ白なパネルを前にする子どもたち。

ワークショップは美術館公園側にある「国際友好の森」というお庭で10:30にスタート。

5班に分かれ、用意された高さ1.5m×幅4mの鉄製パネル5枚に、アクリル水性ペンキを使って描いていきます。まずは、パネルの上に物を置き、落とさないよう動かしてみるなどのウォーミングアップで体の緊張をほぐして、下地塗りまで行いました。

真っ白のパネルを前に、最初は硬直していた子供たちも、手を動かすと次第にリラックスしていった様子。

 

ポカポカのお日様のおかげで、午後には下塗りのペンキもすっかり乾燥。ここからは、「未来の美術館」をテーマに、各班に分かれて考えていきます。「未来の美術館ってなんだろ?」「どんな形かな?」。水の中の美術館、浮かぶ美術館など、子どもたちから自由な発想が飛び出します。

紙にアイデアを書いてみたり。

ある程度テーマが固まったところで、白や黒の絵の具で形を描き、色を重ねていきました。

お喋りしながら進める子、一人黙々と塗り進める子など個性があります。
荒井さん自らも手を動かしながら各班をまわります。

荒井さんからは「もっと水を使うと塗りやすいよ」「線はつぶしてもいいんだよ。同じじゃつまんないから強弱をつけてみて」などぽんぽんアドバイスをしながら、「仕上げ」に向かいそうな各班の絵に、あえて絵の具をボトボト、爪でカキカキ!日頃ご自身の作品を描く際にもされているであろう、枠にとらわれない描き方に子どもたちもびっくり。

どんどん塗り重ねていく荒井さんに対し、「結構その色を作るのに時間かかったんだよ〜」と子どもに叱られ(?)、「すみません〜」と荒井さんが平謝りするという1場面も(笑)些細なやりとりに、絵で大人と子どもの垣根を超えてしまうお人柄がにじんでいました。

「いいね〜」「カッコい〜」を連呼する荒井さんに乗せられて、子ども達もぐんぐん描いていきます。

画材は、筆や刷毛に留まらず、手や爪、段ボールの切れ端・・と、これも自由!「ベタッと塗ったところ、そうでないところ、いろんな表現ができると面白いよね」という荒井さんの言葉通り、画材に縛りがないことで子どもたちのテンションもアップ。

たくさんの画材や色から好きなものを選びます。

そうして、終了時刻までラスト数分。「終わり〜!」の声にもなかなか手を止めない子供たち。約5時間かけて行われたライブペインティングが無事、終了しました。

真っ白のパネルが数時間でこんなにカラフルに!

出来上がったのは「形のない美術館」「移動できる美術館」「海の中の美術館」「電球」「春夏秋冬」の5つ。それぞれにしっかりとしたコンセプトやストーリーがあり、発想の豊かさに、見ていた大人も驚かされるばかりでした。

総評として荒井さんは、「描かれたものの良し悪しより、知らない者同士がある一つのテーマに沿って話し合って、決めていくということがワークショップの面白さ。自分の意見が通らなかったりする大変さもあるけど、自分の意見も伝えながらみんなでやるのが大切ですね」とコメント。

絵のテーマをしっかりと説明する子どもたち。荒井さんも「いいものができました。長時間お疲れ様でした」と納得のご様子。

参加者の一人に感想を尋ねると、「最初は知らない子ばかりで緊張したけどだんだん慣れてきて、話せるようになった。こんなに大きなキャンバスに描いたことないから楽しかった!」とペンキでカピカピになった手を見せてくれながら話してくれました。

最後は集合写真を撮って笑顔でフィニッシュ!各々達成感に溢れた顔でした。

 

「未来の美術館」を想像して子どもたちと荒井さんが思いを込めて描いたこのパネルは、リニューアルオープンまでの一定期間仮囲いに設置され、自由に観覧OK。ぜひウォーキングの途中などに見ていってみてください。そして再来年、この仮囲いの向こうで新たな美術館に出会えるのを楽しみに待ちましょう♪

おすすめイベント

RECOMMENDED EVENT
Thumb mini 0918339304
終了間近

アジアフォーカス・福岡国際映画祭2018

2018/09/14(金) 〜 2018/09/23(日)
ユナイテッド・シネマ キャナルシティ13(キャナルシティ博多内)

Thumb mini e8bd7d5c23

「石川直樹 この星の光の地図を写す」展 関連イベント
森下真樹「ベートーヴェン交響曲第 5番『運命』全楽章を踊る」

2018/09/22(土) 〜 2018/09/23(日)
北九州芸術劇場 小劇場(リバーウォーク北九州6F)

Thumb mini d9cbe7e84d
終了間近

明和電機ナンセンスマシーン展 in 大分

2018/07/07(土) 〜 2018/09/24(月)
大分市美術館

Thumb mini a39e9d9ad3
終了間近

夏の特別展
「へんてこモンスター~海から始まったその軌跡~」

2018/07/14(土) 〜 2018/09/24(月)
北九州市立いのちのたび博物館

Thumb mini a4c98a0a36
終了間近

スケスケ展 -スケると見える仕組みの世界-

2018/07/14(土) 〜 2018/09/24(月)
福岡市科学館 3階企画展示室

他の展覧会・イベントを見る

おすすめ記事

RECOMMENDED ARTICLE
Thumb mini bb52984049
ニュース

草間彌生の《南瓜》が福岡城さくらまつりに出張中!【ニュース】

Thumb mini aeac676976
レポート

悩んで買えなかった作品も手に入る!?アートフェア アジア福岡2018【レポート】

Thumb mini 26e48f8a3c
レポート

ストーリー、エロス…絵の美しさに留まらぬ鈴木春信展の魅力を深堀り!【レポート】

Thumb mini a724108b26
レポート

山田全自動とめぐる! 春信展みどころダイジェスト、第1回目レポート【レポート】

Thumb mini c99534eb7d
レポート

福岡のこどもたち30人の肖像画が登場!絵本作家・三浦太郎さん公開制作【レポート】

特集記事をもっと見る