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1300年にわたる大分の名宝を知る 開館10周年記念「きらめく日本美術 1300年の至宝」年末年始も開館

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アルトネ編集部
2025/12/19
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古き昔から「豊の国」と称されてきた大分県。
現在、大分県立美術館(OPAM)で開催中の、開館10周年記念展「きらめく日本美術 1300年の至宝展」は、古代から近世に至るまでの、大分(旧豊前・豊後)の地域に焦点を当て、大分ならではの美の特色を探る展覧会です。
大分は陸海の豊かな自然風土を有する土地であり、瀬戸内海や周防灘、筑後川を通じて各地との交易が盛んに行われてきた要衝の地でもありました。そのため朝鮮半島や中国との文化交流の玄関口として、豊かな文化が醸成されてきました。
本展では、宇佐神宮から始まった八幡信仰、大友氏と禅宗、南蛮美術が横断的に紹介されています。また、京都や江戸、さらには中国といった「中央」の文化との交流の中で、独自の豊かな特徴を開花させ、発展していった様子を知ることができます。
本展のなかで印象に残った展示物を、一部紹介いたします。

第1章の「八幡信仰の至宝」より、木造僧形八幡神坐像です。八幡神という日本古来の神が大陸伝来の仏に帰依した僧侶の姿で描かれており、典型的な神仏習合の坐像です。本像は大分県杵築市の奈多宮(宇佐神宮の別宮という伝承を持つ)に伝わる神像のひとつです。奥に見えるのは木造女神坐像(比売大神)です。

木造僧形八幡神坐像 木造女神坐像 共に平安時代後期 奈多宮

鎌倉時代の豊後国守護の大友氏が柞原八幡宮に寄進した「太刀 銘 源国□」。刃長が1メートルを超える長大な太刀です。 

太刀 銘 源国□ 鎌倉時代 柞原八幡宮

こちらは八幡神の由緒と霊験を説いた「宇佐八幡宮縁起絵巻」。ダイナミックで精緻な描写が目を引く絵巻です。

宇佐八幡宮縁起絵巻 上巻 江戸時代 宇佐神宮

国東市の安国寺に伝わる足利尊氏の坐像。南北朝から室町時代の作品で、足利尊氏の風貌をよく伝えていると言われています。後醍醐天皇に反旗を翻し、一時劣勢となり九州に下向した尊氏を支え、再挙に貢献した武将が大友家7代当主の大友氏泰でした。大友氏と足利将軍の緊密な関係性が感じられます。

足利尊氏坐像 南北朝~室町時代 国東市・安国寺

日本を代表する水墨画家である雪舟等楊の「山水図巻」。雪舟は一時期、大分・豊後国府内に滞在したといわれています。

山水図巻 雪舟等楊 室町時代 山口県立美術館

こちらは江戸時代に描かれた提洲禅恕による「目一つ小僧図」。中津市の自性寺に伝わるものですが、一つ目小僧が「自分のことが怖いだろう」と脅かすも、盲僧が「自分は1つも無いから自分の方が怖いだろう」と言い返す図です。ユーモラスな作品ですが、禅の教えや心眼をもって修行にあたる戒めなど深い思いが込められているそうです。

大分地域は禅宗文化が非常に栄えた地域だったのですね。

目一つ小僧図 提洲禅恕 江戸時代 中津市・自性寺

また、大分の美術として忘れてはいけないのが、キリスト教や南蛮貿易による文化交流です。
こちらは日本にキリスト教を伝えた聖フランシスコ・ザヴィエル像(複製)です。

聖フランシスコ・ザヴィエル像(複製) 津久見市

印象に残ったのがアブラハム・オリテリウスによる「世界の劇場」アジア図。この地図に掲載された日本は、右上の小さな図。

『世界の劇場』アジア図 アブラハム・オリテリウス 津久見市 

あまり鮮明ではありませんが、日本国部分を拡大した図です。「JAPAN」と書いてありますね。おそらく関西以西の情報をもとに描かれたのだと思われますが、よく見ると「BVNGO(豊後)」がひときわ大きく記載されていることがわかります。当時、いかに豊後国が国際都市として栄えていたのかを知ることができます。

戦国時代が終焉し、徳川政権による江戸幕府が成立した以降も大分は芸術の分野で独自の文化を花開かせています。特に幕府直轄地(天領)として、九州の金融・商業の中心地であった日田には当時最先端だった中国・清時代の絵画の名品が数多く集まりました。

渡辺鶴洲の「双鶴図」はその中国絵画の技法を取り入れた作品です。よく見ると、胡粉等を用いた極細線で描かれた羽の表現は伊藤若冲にも似た作風が感じられます。当時の最先端の技法を用いて描かれていたことがわかります。

双鶴図 渡辺鶴洲 江戸時代 神戸市立博物館

こちらは豊後国岡藩(現在の大分県武田市)に生まれ、豊後南画を代表する画家・田能村竹田による「歳寒三友双鶴図」。

歳寒三友双鶴図 田能村竹田 江戸時代 個人蔵

紹介した作品以外にも、まだまだ大分にまつわる名宝の数々が展示されています。

大分の長い歴史と豊饒な文化を感じさせる展覧会、ぜひ一度ご覧ください。なお、大分県立美術館は年末年始も休まず開館しています。休暇を取られる方は少し足を伸ばして、大分の歴史と文化を知る旅はいかがでしょうか。とり天も美味しいですしね。26年1月14日まで。

※一部作品は展示場面が変更となる場合があります。

OPAM開館10周年記念
きらめく日本美術 1300年の至宝展

会 期:2025年11月22日(土)~2026年1月14日(水)
時 間:10:00~19:00
※金曜日・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)
会 場:大分県立美術館 3階 
観覧料:一般1,400円(1,200円)、大学・高校生1,200円(1,000円)
※( )内は有料入場20名以上の団体料金
※中学生以下は無料
主 催:公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館
共 催:大分合同新聞社、OBS大分放送
問い合わせ:TEL097-533-4500
(公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館)

公式HPはこちら

 

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