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出会い・つながりがひろがる。 10回目を迎えたash Satsuma Design and Craft Fair【レポート】

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アルトネ編集部
2017/12/20
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鹿児島で毎年行われているイベント「ash Satsuma Design and Craft Fair」(以下、ash)は、地元を拠点に活動するデザイナー、クラフト作家、アーティストが、県内のショップ、カフェ等で作品を一堂に展示・販売するものでいつも人気を集めています。“鹿児島から人と人のつながり、モノや 場所との出会いを全国に発信する”というコンセプトのもと開催され、10回目となった今回の参加数は約60作家、40会場にのぼります。本イベントの広報を担当した四元朝子さんにイベントの様子をレポートしていただきました。(編集部)

ashは、参加作家にとっては、この時期に向けて作品を制作・発表するものであり、また、来訪者にとっては、秋の紅葉の美しい季節、各所に点在する会場から会場へとまちあるきを楽しむイベントです。10回目を迎えたash 10について、オープニングイベントや会期中の参加店舗の様子をレポートします

オープニングパーティの様子。左からMCの米澤瑠美(MBCラジオ)、ゲストの中原慎一郎(ランドスケープ・プロダクツ代表・ash Satsuma Design & Craft Fair 発起人) 、岡本 仁(編集者)、加藤紀子(タレント)
パーティ会場には多くの人が

ashは、毎年、11月末〜12月初旬まで約10日間にわたって開催されています。そして、その初日は多彩なゲストを迎え、出展者、会場のオーナー、そして来訪者が交流するパーティで幕を開けます。今年は10回目というメモリアルイヤー。公式パンフレットの表紙作品を描いた浜田道明さんによる引き語りのライブにはじまり、この10年を振り返るトークイベントが開催されました。

トークイベントでは、ashの発起人のひとり、中原慎一郎さん(ランドスケープ・プロダクツ代表)とともに、これまで参加クリエイターを県内外に紹介してきた編集者の岡本 仁さん、タレントの加藤紀子さんが登壇。中原さんは10年前のash立ち上げ時について、鳥取県のイベントで地元の作家同士が近い距離で活動をしていることを目の当たりにし、鹿児島でashの開催をはじめたと振り返りました。また、アメリカ西海岸に通っている中原さんは、地域の人々が世間にまだない新しいものに対して強く興味をもち、コミュニティを大切にしている様子が鹿児島にも似ていると感じているそう。MCより「これからのashのあり方はどうなるといいと思いますか?」と問われると、「作家たちには腕をますます磨いていってほしい」という思いとともに、「鹿児島にある『郷中教育』の精神で、年下の人や身近な人に友として関わり、その可能性を伸ばしていける環境を持ち続けていてほしい」とのこと。国内外のクリエイターと常日頃から接し、応援し続けている中原さんこそのメッセージでした。その後、川辺ヒロシさん(TOKYO NO’1 SOUL SET)や坂口修一郎さん(DOUBLE FAMOUS)によるDJと、鹿児島在住の絨毯・ラグ作家 秋廣 麗乃さん(tari jutan)が絨毯の図案をフックガンで製作していくクラフトライブが会場を沸かせました。パーティ会場には地元レストランやカフェのフード&ドリンクのポップアップショップも出店し、参加作家、会場オーナーと来訪者の交流が活発に行われるashの初日となりました。

ash Satsuma Design and Craft Fair 10 公式パンフレット。編集:清水隆司(Judd.)、阿久根佐和子(GINGRICH / aview Café & Flowers)。参加作家のプロフィールや会場MAPとともに、地元の食事処やお土産の紹介、そしてコラムと充実した1冊

ashの楽しみ方、それは、来訪者にとっては、点在する会場(ショップやカフェ)を探して作家の作品に出会うこと。また、作家には、新しいお客様との出会いと作品発表の機会を得ることです。公式パンフレットやウェブサイトで参加作家と会場を事前にチェックして、さあ街へ。運営側にいるわたしも地図を片手にあちこちの路地を通り抜け「あ、こんなところにショップがあった」、とか、「こんな作品を作る作家が地元にいるのね」という発見の連続で、地域の豊かさを再認識します。また、地元作家だけでなくショップオーナーが招聘する県外作家の参加もあり、オーナーの目利きぶりに唸らされることもしばしば。そしてこの時期の鹿児島は比較的温暖な気候で、心地よい風が吹き、街路樹や公園の木々の紅葉もクライマックスを迎えます。まちあるきを友人や家族で楽しみ、目や肌で季節を感じながら、地元のクリエイティブの<いま>に触れる、そんなワクワク感に溢れたフェアがashなのです。

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