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変幻自在な安野モヨコ作品の魅力。職人肌のマンガ家気質と超現実主義な素顔とは【レポート】

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大迫章代
2018/07/13
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三菱地所アルティアムで7月16日(月・祝)まで開催の「安野モヨコ展 STRIP! PORTFOLIO 1996-2016」。安野モヨコと言えば、『ハッピーマニア』『働きマン』、『さくらん』などで知られる大人気漫画家。女性誌に限らず、「モーニング」「イブニング」、現在では「AERA」にも連載中と、読者層、ジャンルを選ばない多彩な作風で人気を博している。

そんな安野モヨコが、去る6月29日(金)、イムズホールでトークライブを行った。赤裸々な男女の恋愛観や仕事観をリアルに切り取り、常に時代の先端を行くマンガ家・安野モヨコ。。今回は、そんな安野モヨコの素顔と人柄を垣間見ることができたトークショーの一部をレポート!

安野モヨコの『働きマン』とビジュアルタイアップした、イムズサマーセールのメインビジュアル
© Moyoco Anno / Cork

 

司会 安野先生のマンガは、ヒロインが着ている服や身に付けているアクセサリーもさりげなくすてきですよね。安野先生自身、ファッションについては?

安野 服だけでなく、アクセサリーも化粧品も、やっぱりファッションは好きですね。とはいえ、根が現実主義なので、マンガで描くヒロインの服は「リアルに着られるもの」にこだわっています。こういう職業なら、これくらいの年収で、そうなるとあれもこれもは買えないとかあるじゃないですか。ですから、どんなにすてきでも非現実的なスタイルは描けないんです。ただ、魔法が使える『シュガシュガルーン』や、イラストでは、思い切り好きなものを着せています(笑)。好きなモノと言えば、イムズの館内ポスターのメインビジュアルにもなっている『働きマン』の松方弘子がくわえているのは、私が愛用しているPILOT V  CORN。書き味がとってもなめらかで大のお気に入りです。

展覧会に展示されている『働きマン』登場人物たちのカバンの中身。現実主義な一面が垣間見られる。

司会 安野先生と言えば、作品によって絵のタッチや雰囲気も変わりますよね。

安野 そうですね。各媒体や読むターゲットに合わせて、その都度タッチは変えています。
例えば、少女マンガでは繊細な細い線を書ける丸ペンを使ったり、男性誌で書くときは線の強いGペンを使ったり。『オチビサン』ではポショワールという版画のような技法を使っているんですよ。

司会 マンガによって作風やテーマも変わりますが、テーマはどんなふうに選ぶんですか?

安野 自分が描きたいと思うものと、読者が読みたいと思っている内容を折衷している感じです。『オチビサン』は、今は「AERA」で連載していますが、もともとは朝日新聞の連載でした。新聞の読者は70代以上の女性が多いのだそうです。昔から旦那さんが取っていた新聞を、旦那さんが亡くなってからもそのまま購読しているパターンが多いんですって。ですから、そんな読者が毎日読んで、クスッと笑ったり、季節を感じたりするようなものをと思って描きはじめました。何より、私自身が描きながら癒されている作品です。

司会 『さくらん』は江戸時代を舞台にしていますが、キャラクターも背景も非常に現代的というか、リアルで臨場感があるように感じました。あのような世界観は何を参考に描いているのですか。

展覧会場の『さくらん』コーナーでは、赤い格子越しに原画を見ることができる。

安野 現代モノなら実際その場所に行ってロケハンするんですが、江戸時代には行くことができませんから。参考にしたのは日光江戸村とか、名古屋の明治村です。行って写真をたくさん撮りました。また、江戸時代の情景がリアルと言われましたが、それはきっと江戸時代を描くときも、現在のその場所や空間をベースに、パーツやディテールだけ浮世絵や日本画の画集を参考に江戸時代のものに置き換えているからかもしれません。『さくらん』の着物の色彩については、今見るともう少し日本画風にすればよかったなと思うところもあるのですが…。エピソードに関しては、監督(夫の庵野秀明)がくれた当時吉原に通っていた客が詠んだ川柳を集めた本が参考になりましたね。今も昔も基本的に人の本質って変わらないものなんですよね。

他にも、『ハッピーマニア』の身の回りにいる“男性あるあるキャラ”や、『働きマン』の自分の職場にも“いるいるキャラ”、マンガ誌の話で大いに盛り上がったトークライブ。

「安野モヨコ展 STRIP! PORTFOLIO 1996-2016」は7月16日(月・祝)まで開催中。「これこれ、懐かしい」とか「これ読んだことないや」と思いながら展示を鑑賞した後は、きっと彼女のマンガを大人買いして読みたくなること間違いなしだ!

『働きマン』のヒロインが編集を務める週刊「JIDAI」の表紙仕立ての大型パネル。中には安野モヨコの旦那様である“監督”(庵野秀明)の『シン・ゴジラ』の文字も。

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