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アルトネ編集部 2017/06/28 |
はじめまして。福岡で活動しているグラフィックデザイナーの三迫太郎です。7月2日(日)まで三菱地所アルティアムで開催中の「シンプルの正体 ディック・ブルーナのデザイン」展のオープニングトークに行ってきました。
会場は、アルティアムが入っているイムズの10階にあるセミナールーム。ゲストは展覧会のアートディレクションを手がけた菊地敦己さんと、出展デザイナーで、絵本の著作もある中村至男さん。聞き手は企画を担当されたブルーシープの服部彩子さん。普段のお仕事ではユニークな色や形を操るゲストの二人から、デザイナーとしてのディック・ブルーナについてどんなコメントが出てくるのか楽しみです。
企画のはじまり:ブルーナの「シンプル」の正体
菊地さんに展覧会のメインビジュアルを依頼する際、今回はデザイン展として成立させたいということで、企画自体についても相談があったそう。以前からブルーナの仕事に様々な形で関わり、『こどもと絵で話そう ミッフィーとフェルメールさん』などの絵本も制作されている菊地さん。この展覧会の企画について、どんな興味を持って関わられたのでしょうか。
菊地敦己さん(以下、菊):僕はもともとブルーナは好きでしたし、キャラクターではなくグラフィックデザインとして捉えていたので、面白そうだなと。ブルーナを通して、グラフィックデザインの考え方が伝わる展覧会になったら良いなと思いました。
服部彩子さん(以下、服):企画のかなり早い段階から「シンプル」がテーマになりそうだという話は出ていました。そして、ブルーナさんのデザインって、ただの「シンプル」じゃないですよね。
菊:そうですね。デザインといった時に「白くて角張ったシンプルなもの」という風潮が僕はすごく嫌いで(笑)。ミニマルなものをよしとする美意識が信用されすぎている。僕もかなり単純な図形を使ったデザインをしますけど、シンプルな中に別な意味や余分な要素をどうやって存在させることができるかが、結構大事なんです。使っている要素は似ていても、モダンデザイン的な様式とはちょっと距離があるんです。 ブルーナの形は、最初からシンプルな形があるんじゃなくて、元にちゃんと具体的なものがあって、それが簡略化されていく段階があるように感じます。だからシンプルな形にも、表情があるのではないかと思います。
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