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99歳 野見山暁治さんが福岡市で個展 「時代の色を感じさせる」 渡仏前の作品など並べる

2020/08/29 LINE はてなブックマーク facebook Twitter

 福岡県飯塚市出身の画家・野見山暁治さんが福岡市中央区地行浜のみぞえ画廊で開催中の個展会場を訪れ、大勢のファンや友人と旧交を温めた。99歳となっても矍鑠(かくしゃく)とし、つえを突き歩いて来場。向けられた多数のカメラに「スター気取りだね」と冗談も交えて応じ、会場は終始和やかな雰囲気に包まれていた。

戦後間もなく関門海峡を描いた2作品の前に立つ野見山暁治さん


 野見山さんは東京美術学校(現東京芸術大)卒業後に応召。戦後、パリに渡り安井賞を受賞した。帰国後、東京芸大教授。2014年に文化勲章も受けた。

 会場には1952年の渡仏前に関門海峡を描いた絵画2点や91年までの油彩、水彩、版画などを並べた。本人も久々に見る作品群で、目を細めて見入った。

 「昔の作品を目の前に出されるということは、自分は子どもの頃どんな子どもだったのかと見せられるようで怖いですね」

 独特の言い回しで心境を語った。関門海峡の絵は色彩が暗く力強いフォルムで、フォービスムの影響を感じさせる。

 「感情をぶつけるフォービスムには学生時代憧れたが、戦争が終わったら頼りないように感じた。感情はいいかげんなもので、何の支えにもならずむなしかったんです」。セザンヌやエル・グレコに衝撃を受け、フランスで見た水墨画にも魅せられ、抽象的な絵画に転じた。会場を巡れば、画風の変遷をたどれる。

 東京在住。毎年夏は糸島のアトリエで過ごす。今夏はコロナ禍で来客も少なく、来年東京などで予定される100歳の記念展に向け精力的に制作している。

 野見山さんは「時代の色を感じさせる」と感想を述べ、新しい日常について問われると「毎日やりたいことをやっています」と笑顔を見せた。9月6日まで。 (藤原賢吾)
 

=8月28日付西日本新聞朝刊に掲載=

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