【直方出身の上川伸展や、＼作家がつくる／ありえないどうぶつてん など！】2023年度上半期、田川市美術館の注目展覧会

　九州、山口エリアの展覧会情報を発信するARTNE（アルトネ）による、各施設の展覧会ラインナップから注目の展覧会をご紹介するシリーズ。今回は田川市美術館編です。

■直方出身の作家・上川伸の展覧会

上川伸展「壁とともに」
2023年4月6日(木)～5月21日(日)

　上川伸は1958年に産炭地として栄えた福岡県直方市に生まれました。間もなくして燃料の主役であった石炭が石油へと移り変わる「エネルギー革命」が起こり、幼・少年期を衰退する炭鉱とともに過ごしました。彼の代名詞ともいえる「THE WALL」シリーズは、その時に目の当たりにした巨大な建造物、錆びた鉄、朽ちかけたコンクリートの記憶から創り出されています。また、第2回谷尾美術館大賞展で大賞を受賞し、「堅実な構成力」を備えていると称賛された技術は、第40回安井賞展で次席の佳作を受賞したことからもその評価を揺るぎないものとしています。

　近年手掛けている新シリーズ「MOSS GARDEN」は、中学生の頃から心酔していたロックミュージシャンの同タイトル曲や、作庭家の重森三玲の代表作である京都・東福寺庭園（北庭）に着想を得て制作されました。装飾性に重きを置かれた本シリーズは、重厚な構築物を描く「THE WALL」シリーズとは異なり、和紙を使用した柔らかな素材と有機的な線、幾何学的な形の調和を編み出す、新しい試みがなされています。

　本展では、初期作品から「THE WALL」シリーズに至る約20点の油彩作品、新作を含めた約30点の「MOSS GARDEN」シリーズを紹介し、作品に秘められた作家の人生に迫ります。

■田川市美術館の収蔵作品が一堂に

コレクション展「聞こえる」「郷土の至宝 立石大河亞」
2023年4月18日(火)～5月21日(日)・2023年5月30日(火)～7月9日(日)

　1991年の開館時から、筑豊ゆかりの作家・作品を中心にコレクションしてきた田川市美術館。その数は2500点を超えました。今回はコレクション作品の中から「音」をテーマに作品を紹介します。またあわせて立石大河亞の作品展示もお楽しみください。

■「たのしいげいじゅつ」がテーマの夏休み特別企画展

＼作家がつくる／ありえないどうぶつてん
 2023年7月15日(土)～8月27日(日)

　今回で6回目となる夏休み特別企画展。今回のテーマは「ありえないどうぶつ」です。「たのしいげいじゅつ」をテーマに筑豊を拠点に活動を続ける現代アート作家そのだ正治とその仲間たちによってつくり上げられる本展。作品はもちろん、撮影スポットなども用意しており、小さなお子さまから大人まで一緒に楽しめる、いつもとは違った展覧会です。