日本の巨大ロボット群像
-巨大ロボットアニメ、そのデザインと映像表現-
2023/09/09(土) 〜 2023/11/12(日)
09:30 〜 17:30
福岡市美術館
2023/10/27 |
巨大ロボットアニメの歴史をたどる展覧会「日本の巨大ロボット群像」が、福岡市中央区の市美術館で開かれている。1963年にテレビ放送が始まった「鉄人28号」から現代の作品まで、新旧のロボットが勢ぞろい。だが、なぜ会場が「美術館」なのか―。それは、アニメ制作者が情熱を傾けた「メカデザイン」に焦点を当てた展示だからだ。
実在しないロボットに現実味を持たせるため、制作者たちはデザインや内部機構の設定に知恵を絞った。本展の企画に携わった福岡アジア美術館学芸課長の山口洋三さん(54)は「架空のロボットにリアリティーを与えたという点で『機動戦士ガンダム』(79年放送開始)は画期的でした」と指摘する。「マジンガーZ」(72年放送開始)などに代表される超科学的な「スーパーロボット」から、はっきりと「戦争に使う兵器」という設定に変化したからだという。
ただ、唐突にガンダムが登場したわけではない。それまでの作品にも「敵に破壊され、むき出しになった内部メカが描写されたり、合体の過程、変化がどんどん説得力のある表現になっていったり」(山口さん)と、後の「リアルロボット」につながるアイデアが盛り込まれている。ガンダム以前のリアル表現や設定に着目した点も本展の見どころだろう。
メカデザインの視点から鑑賞すると、かつての「技術立国・日本」の影響を受けながら巨大ロボットアニメが発展し、新たな技術者を生む原動力の一つになったのでは、との思いがよぎる。昔、夢中になった巨大ロボットに隠された意外な事実を会場で見つけてみては。
(石田禎裕)
日本の巨大ロボット群像
11月12日まで、福岡市美術館。観覧料は一般1600円、高大生800円、小中生500円。メカニックデザイナーの宮武一貴さんが制作した巨大ロボットの絵画の展示や銀河万丈さんら有名声優による音声ガイド(700円)もある。月曜休館。市美術館=092(714)6051。
=(10月25日付西日本新聞朝刊に掲載)=
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