【コラム】おいでよ！オバケ？展＜上＞日常に潜む不思議がいっぱい

　今年も始まりました「おいでよ！夏の美術館」。第２弾の今回は、「オバケ？」展。お化けではなくオバケ。しかも「？」ってどういうこと？ 実は、妖怪や幽霊だけではなく、日常生活に潜む「オバケ？」を見つける展覧会なのです。あなたの身の回りの不可解な出来事、不思議なものがウヨウヨと出てきます。

　まず入り口のオバケ屋敷には、不気味な絵が登場します。建物の窓から黒い煙がもくもくと…。あ、火事！ でも、街の通りには、逃げる人の姿もなければ、誰もいなくてシーンと静かです。この絵を描いたフィリピンのホセ・レガスピは、ありふれた毎日にこそ暴力や狂気が隠れているのだと、私たちに合図を送っているのです。

　もちろん、恒例の絵本も５００冊が並びます。え、これもオバケ？と思うラインアップ。そうそう、意外とあなた自身もオバケだったりするかもしれませんよ。
（福岡アジア美術館学芸員・五十嵐理奈）

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　多彩なオバケが登場する体験型の展覧会「おいでよ！夏の美術館ｖｏｌ．２『オバケ？』展」が、福岡市博多区の福岡アジア美術館で３１日まで開催中。展示品の中から、同美術館所蔵の作品を学芸員が紹介する。

＝（8月7日付西日本新聞朝刊に掲載）＝

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