特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」
2019/11/16(土) 〜 2019/12/22(日)
09:30 〜 17:30
福岡市博物館
2019/11/14 |
闇から現れる骸骨-。漫画家水木しげるさんが妖怪「がしゃどくろ」を描く参考にしたとされる絵。まさに「ぬうーっと登場」の表現がぴったり当てはまる。
作品は歌川国芳(1797~1861)の浮世絵「相馬(そうま)の古内裏(ふるだいり)」(1845年ごろ)。国芳は江戸後期の絵師で、多彩な表現で人気を博した。漫画「北斗の拳」ばりの筋骨隆々の絵もあれば、高齢者と若者の顔を組み合わせて年齢不詳の女性を描き、江戸っ子の笑いを取った。
もう一つの代表作「駒くらべ盤上太平棋(ばんじょうたいへいき)」(43年)は合戦を将棋になぞらえ、金将や銀将に守られながら逃げ腰で指令を出す情けない玉将を描く。
当時の浮世絵は20文程度。現代でいえば数百円のトレーディングカードのようなもので、天保の改革で倹約を強いられた庶民のささやかな楽しみだった。玉将を「お上」と捉えれば改革に対する不満の発散にもなったが、幕府を批判したとして発禁処分となり、版元は処罰されてしまう。
国芳は風刺とも受け取れる作品を数々手掛けた。そのたびに取り調べを受けるが処罰は逃れてきた。福岡市博物館の学芸員、佐々木あきつさん(32)は「跳ねっ返りで、驚かせることに快感を覚えるエンターテイナーだった」。ウイットに富む絵を描いた国芳の下には100人以上の弟子が集まり、その門下生も激動の時代を軽妙に描き続けた。
幕末から明治にかけて浮世絵の新たな表現に挑んだ国芳や弟子の月岡芳年らの作品約150点を展示する特別展「挑む浮世絵 国芳から芳年へ」の魅力を3回に分けて紹介する。(大淵龍生)=10月29日西日本新聞朝刊に掲載=
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