水辺にて―水をめぐる美術の世界

生命の源といえる水――。
水は大地を流れ、川や海、湖などさまざまな美しい景色を生み出す。人々は古来より恩恵とときに災厄をもたらす水とともに暮らしてきた。
親しみや恐れなど様々な感情を呼び起こす川や海などの水辺の景色は、刻々と移ろい豊かな表情を見せる。そうした水辺の景色は、芸術家たちにとって格好の主題のひとつである。美術家たちは、故郷の川や海、旅先の湖畔、架空の理想郷など水が織りなす風景や、ときには不定形の水そのものを描いてきた。また、豊かな水に育まれて生まれた工芸品には、その地の歴史と作家の自然へのまなざしを感じられる作品が数多くある。

九州芸文館で開催される本展覧会では「水」という人間の生にとって欠くことのできない存在を糸口に、福岡県立美術館で所蔵する絵画や彫刻、工芸などの作品約40点が展示されている。会期中は関連イベントとして学芸員によるギャラリートーク（6月3日（土）14:00～14:30 参加無料　申込不要※ただし本展鑑賞券が必要）なども開かれる。会場は九州芸文館　教室工房1・2。

大地が瑞々しく潤う季節、「水」をめぐる彩り豊かな美術の世界に浸ってみてはいかが。