日伊国交樹立150周年記念
世界遺産 ポンペイの壁画展
2017/04/15(土) 〜 2017/06/18(日)
09:30 〜 17:30
福岡市博物館
2017/05/29 |
福岡市博物館で6月18日まで開催中の「世界遺産 ポンペイの壁画展」について、西日本新聞朝刊に連載された、漫画家のヤマザキマリさんが語る壁画と古代ローマの魅力をお伝えする第2回目です!(全3回を予定)(編集部)
床には水玉や幾何学模様、壁には小鳥の絵。西暦79年のベズビオ山(イタリア)噴火で壊滅したポンペイ南部のカステッランマーレ・ディ・スタビアにある遺跡「サン・マルコ荘」を訪れた時、非常にセンスのいい、他の古代ローマのお金持ちの家に比べて「知性」というものを感じた。
この家の壁画「天球儀」は、すでに収蔵庫に保管されていたので、初めて見たのはこの壁画展だけど、一目で「あー、やっぱり。あの家のやることは他とは違うな」と妙に感心してしまった。あの家の人でなければ選ばないモチーフでしょう。2千年前に天文学、天球ですよ。壁画は家主の人間性や知性、センスが全て現れるものですから。何度も絵師と議論を重ねて作ったものじゃないでしょうか。
人間は単純なので、見た目が華美で派手なもの、分かりやすいモチーフに引かれてしまいがちですけど、それでは見落としてしまうものが多くてもったいない。ハリウッド映画では、よく剣闘士の殺し合いとかが描かれるけど、そういうのはもうたくさん。古代ローマにはもっと面白い要素がたくさんあることを知ってもらいたくて漫画「テルマエ・ロマエ」を描いた。
連載中の漫画「プリニウス」の主人公プリニウスは、古代ローマ一の知識人。艦隊の司令官だったため、ベズビオ山が噴火した時に、船でポンペイ近郊の友人を救出に行った。記録では、この友人の家には書庫に山のような書籍と資料があったとされています。サン・マルコ荘は、プリニウスが救出に向かった友人の家ではないかとされていて、漫画もその想定で描いています。もしかしたらプリニウスもこの壁画を眺めていたかもしれない。そう思うと、この「天球儀」がより特別な壁画に思えてしまいます。(談)
=5月11日西日本新聞朝刊に掲載=
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