特別展
藤田嗣治と彼が愛した布たち
2020/10/17(土) 〜 2020/12/13(日)
09:30 〜 17:30
福岡市美術館
秋吉真由美 2020/11/11 |
福岡市美術館(福岡市中央区)で開催中の特別展「藤田嗣治と彼が愛した布たち」。生涯、工芸品を愛したという画家・藤田嗣治(1886-1968)は、画家として有名になる前から“布”に関心を寄せ、絵画にさまざまな染織品を描いてきました。
同展は、パリで人気を不動のものとした1920年代、パリを飛び出し、中南米や日本で出会った民族衣装や文化に魅了された様子が分かる1930~40年代の作品を中心に、藤田嗣治の絵画と絵画のモチーフとなった布を合わせて展示するという、初の試みを行っています。
“イストリック・モニュマン(歴史遺産)”を含む染織品や藤田が手がけた衣装など、フランスのメゾン=アトリエ・フジタ所蔵の51点が日本で鑑賞できる貴重な機会です。そのうち47点は日本初公開。藤田が布に寄せたクリエイティブ力は圧巻です。
ファッションや布への熱
1910年代、単身フランスへ留学していた藤田が新婚(入籍はしていない)の妻・とみに宛てた手紙から、藤田のファッションや服、布に対する熱が手に取るように分かります。
布を描き、人気を不動のものに
18世紀から19世紀にかけて人気を集めたジュイ布(=単色で表した緻密な絵柄の銅板プリント地)。1920年代、藤田はそのジュイ布を絵画にそのまま描き込んだ作品が評判を呼び、人気画家の座へと上り詰めます。
世界の布に魅了される
布の質感にこだわっていたこれまでとは違い、1930年代は衣装の形に注目していったようで、旅で訪れた中南米や日本で出会った民族衣装、各国の個性が反映された柄の衣装などが生き生きと描かれています。
好きがあふれる! 針仕事から生まれた作品たち
針仕事に夢中だったことが分かる1950年代以降。フタに女の子の絵が描かれた裁縫箱、ストライプ柄の使い勝手がよさそうな道具箱入れ、庭掃除や掃除などのために5番目で最後の妻である君代夫人とおそろいで作ったマスク、千鳥格子のキャップに和服用の布で作ったシャツなど、藤田のファッションセンスが光る興味深い作品ばかり。
絵画の中に描かれた“布”に注目して、新たな角度から画家・藤田嗣治を探る同展。絵画の中で舞う布や旅先で出会った服、自分と大切な人のための針仕事―。日常をいろんな“布”で彩る、藤田が夢中に、そして大切に生きた時間がそのまま見えるような空間でした。
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