至上の印象派展 ビュールレ・コレクション
2018/05/19(土) 〜 2018/07/16(月)
09:30 〜 17:00
九州国立博物館
アルトネ編集部 2018/03/09 |
2018年注目の展覧会として話題の「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」。
スイスの実業家であるエミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)を知らない方も彼が一人で集めたルノワール、ファン・ゴッホ、モネ、セザンヌ、マネ、ピカソなど教科書でも目にした傑作中の傑作が揃うと言えば、いかに優れたコレクションかが伝わるでしょうか。
日本では、東京、福岡、名古屋の3か所のみで開催されます。
5月の福岡会場・九州国立博物館での開幕に先駆けて東京・国立新美術館で開催中の本展の模様をお伝えします。
美術館に向かう途中の東京駅のホームにもどどーんと大きな看板が。
東京展メインビジュアルの美少女と少年は絵画史上、最も有名な少女と言われるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とセザンヌの《赤いチョッキの少年》。
印象派の中でも人気の高い両巨匠の「最高傑作」として知られるこの2点を同時に見られるとは、なんとも贅沢です。
国立新美術館に到着、会場入口でもイレーヌ嬢がお出迎え。
いよいよ展示室内へ。
本展は印象派を中心としながらも、印象派が生まれる前に影響を与えたと思われる肖像画や風景画などの古典作品から、その後のモダン・アートとのつながりまで、大学で美術史を勉強していたというビュールレの学術的関心も一緒に楽しめる構成になっています。
ビュールレが初めて印象派絵画と出合い特に魅了され、「家に飾る!」と心に決めていたというクロード・モネ《ヴェトゥイユ近郊のヒナゲシ畑》も展示されています。
そしてやはり人だかりできていたのは中盤に飾られていた可愛いイレーヌ。
チラシを目にしたときから心惹かれていたのですが、実物は吸い込まれるような美しさ。髪やまつげの1本1本まで丁寧に描かれ、肌の透明感など‘本物’でしか味わえない感動があります。
セザンヌ、ファン・ゴッホは単独の章で構成され、いかにして自己表現を見いだしたか初期からの作品の移り変わりが見られます。
セザンヌの肖像画の中でも、最も有名な作品《赤いチョッキの少年》はE.G.ビュールレ・コレクション財団のルーカス・グルーア館長にとって見る度に胸がいっぱいになる作品だとか。それもそのはず、この作品は2008年の絵画盗難事件で盗まれた4点の内の1点。その被害総額は、当時の美術品盗難史上最高額(およそ180億円!)として世界中に報じられました。
個人的に目に留まった作品はファン・ゴッホの《花咲くマロニエの枝》
亡くなる年(1890年)に描かれた本作品はサン=レミの療養院で1年間隔離され退院した後に描かれたもので喜びも悲しみも表現されていると感じる一枚です。
そして展覧会の最後に展示されている作品は、クロード・モネの代表作の一つ、《睡蓮の池、緑の反映》。高さ2メートル×幅4.25メートルの大作でこれまでスイス国外には一度も出たことがありませんでした。日本人がまだ見たことのないモネ晩年の「睡蓮」。門外不出と言われた最高傑作を1つの空間で1点じっくり見ることが出来るとはこれもまた贅沢です。
展示室を出た後の特設ショップの充実ぶりにもテンションがあがります。ポストカード、クリアファイル、一筆箋などの定番アイテムはもちろん、マスクケース、タイツ、養生テープそしてイレーヌ嬢をイメージした「可愛いイレーヌ リカちゃん」まで。欲しい、可愛いグッズがたくさん。最後のショップまで堪能してください。
今回の出品作品64点の内その半数は日本初公開。いずれも2020年に完成するチューリヒ美術館で常設展示されることが決まっており、まとまって日本で見ることができるのはこれが最後。
「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は東京・国立新美術館で開催中。その後、5月19日(土)から7月16日(月・祝)まで九州国立博物館に巡回されます。どうぞお見逃しなく!
www.kyuhaku.jp/exhibition/exhibition_s51.html
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